RZ/A1は、ルネサスエレクトロニクス(以下、「ルネサス」)のマイクロプロセッサ(MPU)です。Cortex®-A9を搭載し、最大400MHzで動作します。
RZ/A1の仕様
RZ/A1H | RZ/A1L | RZ/A1M | RZ/A1LU | RZ/A1LC | |
---|---|---|---|---|---|
Core Type | 1 x Arm® Cortex®-A9 | 1 x Arm® Cortex®-A9 | 1 x Arm® Cortex®-A9 | 1 x Arm® Cortex®-A9 | 1 x Arm® Cortex®-A9 |
Operating Frequency [Max] (MHz) | 400 | 400 | 400 | 400 | 400 |
Memory Interface | SDRAM/66MHz (32-bit) | SDRAM/66MHz (32-bit) | SDRAM/66MHz (32-bit) | SDRAM/66MHz (32-bit) | SDRAM/66MHz (32-bit) |
RAM (MB) | 10 | 3 | 5 | 3 | 2 |
出典:Renesas「RZ/A1H」「RZ/A1L」「RZ/A1M」「RZ/A1LU」「RZ/A1LC」
ルネサス RZファミリとは
ルネサス RZファミリの製品ラインアップ
ルネサス RZファミリは、マイコンを知り尽くしたルネサスならではの組込みプロセッサで、「マイコンのように使いやすい新世代プロセッサ」として誕生しました。
高性能・省電力制御に加え、従来のマイコンでは難しかったITネットワークとの連携などにも利用できます。顧客のアプリケーションに新たな価値をもたらします。
RZファミリは、
・ネットワーク機能強化
・HMI(ヒューマンマシンインタフェース)強化
・Arm®コアとルネサス独自技術による高度なリアルタイム制御
などを特長とし、ヒューマン・マシン・インタフェース分野において最適なソリューションを提供します。
RZファミリの製品ラインナップは以下の通りです。
- RZ/Vシリーズ
- RZ/Gシリーズ
- RZ/Aシリーズ
- RZ/Tシリーズ
- RZ/Nシリーズ
シリーズ | パフォーマンス範囲 | 特長 |
RZ/V | 最大1GHz | AIアクセラレータ “DRP-AI” が、高速なAI推論と低消費電力を実現 |
RZ/G | 最大1.5GHz | 高いコストパフォーマンス |
RZ/A | 最大528MHz | 豊富な周辺機能とソフトウェア |
RZ/T | 最大600MHz | 高性能・高速リアルタイム制御 |
RZ/N | 最大500MHz | さまざまな産業ネットワークのアプリケーションに最適 |
RZ/A1シリーズとは
「RZ/A」シリーズは、ルネサスMCUの使いやすさはそのままに、ルネサス独自のテクノロジとArm®エコシステムを組み合わせた、ハイエンドMPU製品です。RZ/Aデバイスは、最大10MBのSRAMをONチップで内蔵し、最大WXGAのグラフィクスを外付けSDRAMなしでバッファリングできます。コード (XIP) をQSPI flashから実行できる機能と組み合わせてお使いいただくことで、ボード設計を大変シンプルなものにします。128ビットの広いパラレルバスと組み合わせ、グラフィクス・オーディオデータの高速処理や、各種デバイス制御まで幅広くサポートします。
RZ/A1とは
RZ/A1は、システムのトータルコストを削減しながらも、MCUよりも高い処理性能を実現します。
【特長1】大容量内蔵RAM
大容量RAMの内蔵により高速インターフェース設計が不要です。ほかにも、実装面積の低減、PCBコストの低減、DRAM調達問題の解消、EMIノイズの削減といったメリットをもたらします。
【特長2】1チップでグラフィックス表示とカメラ入力を実現
画像用バスを独立させたバス構造やH/Wによる重ね合わせ処理により、容易にグラフィックスアプリを実現します。
【特長3】豊富な周辺機能やソフトウェア
豊富な周辺機能やソフトウェアで、表示、カメラ入力、通信、オーディオなど、幅広いソリューションを提供します。
RZ/A1シリーズの使い方(アプリケーション)
RZ/A1シリーズは、以下のアプリケーションに適しています。
- セキュリティ(生体認証)
- ヘルスケア(医療パネル)
- 産業(ロボット、デジタルサイネージ、バーコードリーダー)
- 家電(白物家電)
RZ/A1シリーズの入手方法
RZ/A1シリーズは、下記のルネサスの特約店・取扱店や、オンラインショップなどで購入できます。
RZ/A1シリーズの評価キット
RZ/A1シリーズの評価キットを紹介します。
製品名 | 搭載CPU | 特長 | 対象 |
RZ/A1H-Starter-Kit-Plus | RZ/A1H | RZ/A1Hの開発が初めての方向けのスタータキット。 LCDディスプレイモジュール、J-LINK Liteデバッグエミュレータおよび統合開発環境e2studioが同梱されているため、キット購入後すぐにRZ/A1Hの評価を始められます。 | すぐに開発をスタートしたい方 |
RZ/A1シリーズの対応OS
RZ/A1シリーズに対応している主なOSは、以下の通りです。
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard(弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
高性能リアルタイム処理向けRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standardは、μITRON4.0のスタンダードプロファイルをベースに、32/64ビットプロセッサが搭載された組み込みシステム向けのRTOSです。
μC3/Standardは、高性能プロセッサがより高度なリアルタイム制御に耐えられるよう、割込み禁止時間を極力なくし、割込み応答性を最重要課題として設計したRTOSです。
Arm® Cortex®-Aシリーズ、Arm® Cortex®-Rシリーズだけでなく、高性能な Arm® Cortex®-MやRenesas RXシリーズにも対応しています。
- 32/64bitの高性能プロセッサに最適化
- 割り込み応答性を高め、32/64bitの高性能プロセッサ向けに最適化されたμITRON4.0仕様のカーネル。
- 豊富なプロセッサ・サポート
- 業界随一のプロセッササポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサ
- ポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
- マルチコア対応
- 組み込み機器向けに最適なAMP型カーネル。マルチコアによって、リアルタイム性能を強化します。
- 豊富なデバイスドライバを用意
- I2C, SPI, GPIO, SDなどのデバイスドライバをオプションで用意。(UART, Timer, INTCはμC3に、EthernetドライバはμNet3に付属しています。)
詳しい資料をご希望の方は、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてください。
μC3のライセンスの種類・詳細
ライセンスの種類
ライセンスの種類は3つあります。
- 開発量産用プロジェクトライセンス
- プラットフォームライセンス
- 研究開発用プロジェクトライセンス
開発量産用プロジェクトライセンス
開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。
有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。
プラットフォームライセンス
プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。
研究開発用プロジェクトライセンス
研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。
ライセンス費用は、開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。
有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。
ポイント
- 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
- プラットフォームライセンス :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス
- 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録いただく必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。
お客様のご要望にあわせて適切な範囲で設定させていただきますので、まずは、担当営業にご相談下さい。
ライセンスの詳細
-
- ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
- 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
- 提供形態 :ソースコード
- 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
- 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
- μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています
ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。
保守について
製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。
無償保守サービス終了後は有償での保守サービスとなります。そのまま継続でのご利用の場合、製品価格(研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の20%、非継続の後に再加入をされたい場合は研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の40%となります。
プロジェクトライセンスと1年間の保守サービスを同時にご購入いただいた場合は、初回に限り15%とさせていただきます。
保守サービスには以下が含まれています。
- 製品の無償バージョンアップ対応
- コンパイラのバージョンアップ対応
- メールによる技術サポートサービス(1営業日以内に1次回答)