
RZ/G2Mとは、ルネサスエレクトロニクス社(以下、「ルネサス」)のマイクロプロセッサーです。
Dual Cortex®-A57(1.5GHz)やQuad Cortex®-A53(1.2GHz)CPU、32ビットLPDDR4インターフェースを2チャネル備えています。
さらに3DグラフィックスエンジンにPowerVR GX6250@600 MHzや4Kビデオのエンコードとデコードを2チャネル内蔵しており、USB3.0やPCI Express、GbEなどの高速インタフェースと多くのCPU周辺機能も備えています。
そのため、高機能な産業用途のヒューマンマシンインタフェースなどのアプリケーションに最適なマイクロプロセッサーとなっています。
RZ/G2シリーズのラインアップ・仕様
RZ/G2シリーズ | RZ/G2E | RZ/G2N | RZ/G2M | RZ/G2H |
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Economical | Mid-Range (Pin Compatible) |
Highest Performance |
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CPU (64-bit ARMv8A) |
2x Cortex-A53 @ 1.2GHz L1, L2 パリティ/ECC |
2x Cortex-A57 @ 1.5GHz L1, L2 パリティ/ECC |
2x Cortex-A57 @ 1.5GHz 4x Cortex-A53 @ 1.2GHz L1, L2 パリティ/ECC |
4x Cortex-A57 @ 1.5GHz 4x Cortex-A53 @ 1.2GHz L1, L2 パリティ/ECC |
性能 | 5.5kDMIPS | 12.3kDMIPS | 23.3kDMIPS | 35.6kDMIPS |
DRAM I/F | DDR3L-1866 x 32ビット (ECC) |
LPDDR4-3200 x 32ビット (ECC) |
LPDDR4-3200 x 64ビット (ECC) |
LPDDR4-3200 x 64ビット (ECC) |
Videoコーデック | Full-HD 解像度 H.265 デコーダ H.264/AVC |
4K 解像度 H.265 デコーダ H.264/AVC |
4K 解像度 H.265 デコーダ H.264/AVC |
4K 解像度 H.265 デコーダ H.264/AVC |
3D GFX | PowerVR GE8300 @ 600MHz |
PowerVR GE7800 @ 600MHz |
PowerVR GX6250 @ 600MHz |
PowerVR GX6650 @ 600MHz |
その他の周辺機能 | USB 3.0, GbE, PCI-e, MIPI-CSI, LVDS | USB 3.0, SATA, PCI-e, GbE, MIPI-CSI, HDMI | USB 3.0, PCI-e, GbE, MIPI-CSI, HDMI | USB 3.0, SATA, PCI-e, GbE, MIPI-CSI, HDMI |
RZファミリの製品ラインナップ
RZファミリは、ルネサス社製の32ビットおよび64ビットプロセッサー(MPU)です。Cortex-A7、A9、A15、A53、A57、およびR4を搭載しています。
RZファミリは、ネットワーク機能を強化しているほか、高速リアルタイム制御を実現しています。また、カメラ入力や音声入力などのHMIも豊富です。
HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)とは
人間と機械が情報をやりとりするための手段や道具の総称。コンピュータにおけるHMIは「ユーザーインターフェース(UI)」と呼ばれることが多い。
RZファミリのラインアップは、下記の通りです。
- RZ/A:機器制御・デジタルオーディオ信号処理等の高速化に特化
- RZ/G:高速I/Fを備えた多機能プロセッサ
- RZ/V:低消費電力で高速なAI処理が可能
- RZ/T:密結合メモリによる高速・高応答性を実現
- RZ/N:産業用イーサネットプロトコルをサポート
RZ/G2Mは従来のRZ/G1グループと比べて処理速度が大幅に向上したRTOSです。
RZ/Gシリーズとは
RZ/Gシリーズはカメラ入力、3Dグラフィックス、ハイスペックなビデオコーデック、PCIe、GbEなどの高速I/Fを備えた多機能プロセッサーです。システムプラットフォームとしてLinux OS環境を体系的に整備した「RZ/G Linuxプラットフォーム」を提供しています。このプラットフォームはLinux導入・運用管理コストを下げたいお客様、Linuxに不慣れなお客様にフレンドリーな環境をご提供するスキームです。
RZ/G2シリーズとは?
産業用およびビルディングオートメーションに最適な、次世代HMI向けの高度なグラフィックス処理機能を搭載した高性能MPUシリーズになります。
・64ビットアーキテクチャのArm® Cortex®-A53およびArm® Cortex®-A57 CPUコアにより、高速かつ高効率な処理を実現。
・マルチコア構造により、ローエンドからハイエンドのあらゆるアプリケーションに対応可能。最大35600 DMIPSを実現。
・DDR3LとLPDDR4を含む、最大3200MT/秒の外部メモリ向けに、最新の高速プロトコルをサポート。
・内蔵USB 3.0、SATA、PCI-e、GbE、QSPI、およびeMMCインタフェースによる高速通信。
・600MHz Power VR 3D GFX、4K UHD H.265およびH.264コーデック、HDMI、LVDS、およびMIPI-CSI2カメラ入力を備えた強力なビデオ/グラフィックス機能。
RZ/G2Mの特徴
RZ/G2Mの特長は、以下の通りです。
1.Arm® Cortex®-A53およびArm® Cortex®-A57 CPUコアを複数搭載
2.高速インタフェース(USB3.0、PCI-e、GbE)
3.4K H.265デコーダとH.264デコーダ/エンコーダを搭載
4.組み込み機器に最適な3DGfxエンジンPower VRを搭載
【特長1】Arm® Cortex®-A53およびArm® Cortex®-A57 CPUコアを複数搭載
省電力コアであるArm® Cortex®-A53を4台、大型パフォーマンスコアのArm® Cortex®-A57を2台搭載しています。大型コアと小型コアを組み合わせることで、最適な電力効率を実現します。
【特長2】高速インタフェース(USB3.0、PCI-e、GbE)
USB3.0やPCI-e、GbEを搭載し、非常に高速かつ豊富なインタフェースを搭載。
Gigabit Ethernet(読み方:ギガビットイーサネット)とは
Gigabit Ethernetとは、イーサネットのうち、1Gbpsでの通信に対応したもの。
【特長3】4K H.265デコーダとH.264デコーダ/エンコーダ
4K解像度に対応したH.265デコーダとH.264デコーダ/エンコーダを2チャンネル搭載しています。動画変換の高速化や画質の向上を実現しています。
【特長4】組み込み機器に最適な3DGfxエンジンPower VRを搭載
3DGfxエンジンPower VRのより、グラフィカルなユーザーインタフェースやアニメーションなどの、3Dグラフィックスにも高速化で対応可能です。
以上の特長からRZ/G2Mは、高機能な産業用途のヒューマンマシンインタフェース(HMI)などのアプリケーションに最適なデバイスです。
RZ/G2Mの評価ボード
RZ/G2Mの評価ボードは以下の通りです。
RZ/G2M-HiHope
ルネサス製MCU RZ/G2Mを搭載した96ボード互換のリファレンスボードです。メインボードとサブボードの2ボードで構成されており、サブボードに接続することでRZ/G2Mに搭載されている機能を評価できます。
RZ/G2M-HiHopeの特徴
Processor: RZ/G2M | RZ/G2M |
Main Memory | 4GB DDR4 |
QSPI NOR Flash | 64MByte |
I2C EEPROM | 512Byte |
External Storage | micro SD x1 |
Connectivity | USB2.0 x2ch, USB3.0 x1ch, GbE x1 |
RZ/G2Mの入手方法
RZ/G2Mは、下記のルネサスの特約店・取扱店や、オンラインショップなどで購入できます。
RZ/G2Mの対応OS
RZ/G2Mに対応している主なOSは、以下の通りです。
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard(弊社製品)
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)+Linux(弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
高性能リアルタイム処理向けRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standardは、μITRON4.0のスタンダードプロファイルをベースに、32/64ビットプロセッサが搭載された組込みシステム向けのRTOSです。
μC3/Standardは、高性能プロセッサがより高度なリアルタイム制御に耐えられるよう、割込み禁止時間を極力なくし、割込み応答性を最重要課題として設計したRTOSです。
Arm® Cortex®-Aシリーズ、Arm® Cortex®シリーズだけでなく、高性能な Arm® Cortex®-MやRenesas RXシリーズにも対応しています。
LinuxとRTOSの共存ソリューション「μC3(マイクロ・シー・キューブ)+Linux」
μC3+LinuxはマルチコアCPUにLinuxとRTOSを共存させ、OS間の通信を可能にするソリューションです。
種類の異なった2つのOSを共存させることで、RTOSのリアルタイム性能とLinuxが持つ豊富なソフトウェア資産を有効に活用することができます。