【ルネサス】RZ/Aとは?仕様・機能・評価ボード・開発環境・対応OSを紹介

RZ/Aとは、ルネサスエレクトロニクス(以下、「ルネサス」)のプロセッサです。RZ/Aは、Cortex-A9を搭載し、機器制御やデジタルオーディオ信号処理等の高速化に対応した、高速・高性能プロセッサです。

RZ/Aファミリ・シリーズの製品ライン

  • RZ/A2M
  • RZ/A1H
  • RZ/A1M
  • RZ/A1LU
  • RZ/A1L
  • RZ/A1LC

RZ/Aファミリ・シリーズの仕様

グループ Flash (KB) RAM (KB) ピン数 動作電圧 (V) 周波数 (MHz)
RZ/T1 0 544-1568 176-320 3-3.6 600
RZ/T1-M 0 544-1568 112 3-3.6 450

出典:64ビット & 32ビット ArmベースハイエンドMPU (RZ)

RZ/Aファミリ・シリーズとは

RZファミリ・シリーズの製品ラインアップ

RZファミリは、ルネサス社製の32ビットおよび64ビットマイクロプロセッサー(MPU)です。Cortex-A7、A9、A15、A53、A57、およびR4を搭載しています。

RZファミリは、ネットワーク機能を強化しているほか、高速リアルタイム制御を実現しています。また、カメラ入力や音声入力などのHMIも豊富です。

HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)とは

人間と機械が情報をやりとりするための手段や道具の総称。コンピュータにおけるHMIは「ユーザーインターフェース(UI)」と呼ばれることが多い。

RZファミリのラインアップは、下記の通りです。

  • RZ/A:機器制御・デジタルオーディオ信号処理等の高速化に特化
  • RZ/G:高速I/Fを備えた多機能プロセッサ
  • RZ/V:低消費電力で高速なAI処理が可能
  • RZ/T:密結合メモリによる高速・高応答性を実現
  • RZ/N:産業用イーサネットプロトコルをサポート

RZ/Aは、RZシリーズの中でも機器制御・デジタルオーディオ信号処理等の高速化に特化したMCU製品です。

RZ/Aとは

RZファミリ第一弾製品。大容量RAM内蔵によるWXGAサイズの表示を外付けSDRAMなしで可能とし、機器制御やデジタルオーディオ信号処理等の高速化に対応した、高速・高性能プロセッサです。

出典:64ビット & 32ビット ArmベースハイエンドMPU (RZ)

RZ/Aは最大10MBのSRAMをオンチップで内蔵しています。RZ/Aの豊富な周辺機能(ペリフェラル)とソフトウェア、大容量内蔵RAMで、幅広い分野をワンチップで実現可能です。

RZ/Aは、白物家電や医療・産業パネル、OA機器、生体認証などの分野で採用されています。

RZ/Aファミリ・シリーズの入手方法

RZ/Aシリーズは、下記のルネサスの特約店・取扱店や、オンラインショップなどで購入できます。

RZ/Aファミリ・シリーズの開発環境

RZ/Aに対応した代表的な開発環境は、以下の通りです。

  • IAR Embedded Workbench for RX
  • DS-5
  • e2studio

RZ/A評価ボード

搭載MPU 特徴 対象 データシート
Renesas Starter Kit+ for RZ/A1H RZ/A1H
324-pin BGA
LCDディスプレイモジュール、デバッグエミュレータ、統合開発環境を添付 すぐにRZ/Aの評価を始めたい人、初心者 Renesas Starter Kit+ for RZ/A1Hのデータシート
Stream It! – RZ RZ/A1LU
208-pin QFP
カメラ入力、LCDディスプレイ、イーサネット接続などのアプリケーションの開発、評価が可能 RZを使ってビデオ監視やビデオ/指紋ベースのアクセス制御などのアプリケーションの開発がしたい方
GENMAI CPUボード RZ/A1H
324-pin BGA
豊富な外部メモリや周辺機能(ペリフェラル)を搭載 詳細な機能・性能の評価がしたい方 GENMAI CPUボードのデータシート
GENMAIオプションボード CMOSカメラ信号入力、LCDパネル出力、UARTインタフェースなど様々な周辺IPを評価可能 GENMAI CPUボードと組み合わせ、周辺IPを評価したい方 GENMAIオプションボードのデータシート
RZ/A1LU AVBボード RZ/A1LU
208-pin QFP
Ethernet AVB インタフェースを接続するためのコネクタを搭載 Ethernet AVBアプリケーションソフトウェアを中心とした開発・評価したい方 RZ/A1LU AVBボードのデータシート
RZ/A2M Evaluation Board Kit RZ/A2M MIPIカメラモジュール、ディスプレイ出力ボード、オンチップデバッギングエミュレータ (Segger J-Link Lite) を同梱 すぐにRZ/A2Mの評価を始めたい方 RZ/A2M Evaluation Board Kitのデータシート
SBEV-RZ/A2M RZ/A2M LCDディスプレイ、LCDケーブル、MIPIカメラ入力、USB、Jタグデバッガ (J-Link Lite)を搭載 画像処理をはじめとしたさまざまな用途に向けて開発したい方 SBEV-RZ/A2Mのデータシート

Renesas Starter Kit+

Renesas Starter Kit+は、RZ/Aの入門用に最適なスターターキットです。CPUボードだけでなく、LCDディスプレイモジュール、デバッグエミュレータ、統合開発環境が添付されています。

この特長からRenesas Starter Kit+は、「すぐにRZ/Aの評価を始めたい」という方や初心者に最適な評価ボードです。

Stream It! – RZ

RTK772103FD00000BE (Stream It! – RZ)は、カメラ入力、LCDディスプレイ、イーサネット接続などのアプリケーションの開発、評価が可能なボードです。MPUは、RZ/A1LUを搭載しています。

この特長からRTK772103FD00000BE (Stream It! – RZ)は、「RZを使ってビデオ監視やビデオ/指紋ベースのアクセス制御などのアプリケーションの開発がしたい」という方に最適の評価ボードです。

GENMAI CPUボード

GENMAI CPUボードは、RZ/A1Hの機能・性能評価が可能なボードです。GENMAI CPUボードは、MPUとしてRZ/A1Hを搭載しているほか、豊富な外部メモリや周辺機能(ペリフェラル)を搭載しています。同じMPUを搭載したRenesas Starter Kit+が初心者向けのボードであったのに対し、GENMAI CPUボードは、より詳しい機能や性能を評価できます。

この特長からGENMAI CPUボードは、「詳細な機能・性能の評価がしたい」という方に最適の評価ボードです。

GENMAIオプションボード

GENMAIオプションボードは、GENMAI CPUボード専用のオプションボードです。GENMAI CPUボードと組み合わせて使用することで、周辺機能を評価できます。CMOSカメラ信号入力、LCDパネル出力、UARTインタフェースなど様々な周辺IPを評価できます。

この特長からGENMAIオプションボードは、「GENMAI CPUボードと組み合わせ、周辺IPを評価したい」という方に最適の評価ボードです。

RZ/A1LU AVBボード

RZ/A1LU AVBボードは、Ethernet AVB インタフェースを接続するためのコネクタを搭載しています。

この特長からRZ/A1LU AVBボードは、「Ethernet AVBアプリケーションソフトウェアを中心とした開発・評価がしたい」という方に最適の評価ボードです。

RZ/A2M Evaluation Board Kit

RZ/A2M Evaluation Board Kitは、RZ/A2Mの評価に最適な評価ボードキットです。RZ/A2M Evaluation Board Kitは、評価ボードの他に、MIPIカメラモジュール、ディスプレイ出力ボード、オンチップデバッギングエミュレータ (Segger J-Link Lite) を同梱しています。

この特長からRZ/A2M Evaluation Board Kitは、「すぐにRZ/A2Mの評価を始めたい」という方に最適な評価ボードです。

SBEV-RZ/A2M

SBEV-RZ/A2Mは、シマフジ電機社製の評価キットです。SBEV-RZ/A2Mは、LCDディスプレイ、LCDケーブルを備えています。その他、MIPIカメラ入力、USB、Jタグデバッガ (J-Link Lite)を備えています。

この特長からSBEV-RZ/A2Mは、「画像処理をはじめとしたさまざまな用途に向けて開発した」という方に最適な評価ボードです。

RZ/Aファミリ・シリーズの対応OS

RZ/Aに対応している主なOSは、下記の通りです。

  • eT-Kernel
  • EneaLinux
  • Toppers
  • embOS
  • ThreadX
  • smxRTOS
  • NORTi Professiona
  • μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard(弊社製品)

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

高性能リアルタイム処理向けRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standardは、μITRON4.0のスタンダードプロファイルをベースに、32/64ビットプロセッサが搭載された組込みシステム向けのRTOSです。

μC3/Standardは、高性能プロセッサがより高度なリアルタイム制御に耐えられるよう、割込み禁止時間を極力なくし、割込み応答性を最重要課題として設計したRTOSです。

ARM Cortex-Aシリーズ、ARM Cortex-Rシリーズだけでなく、高性能な ARM Cortex-MやRenesas RXシリーズにも対応しています。

RZ/AとμC3/Standardの導入事例

  • 映像機器・音響機器・無線機器・音楽映像ソフトメーカー製 プロジェクタ
  • 医療機器メーカー製 血球計数器
  • 情報通信機器メーカー製 車載用モニタ
  • 通信機器メーカー製 市町村防災無線システム
  • 工作機械メーカー製 半導体製造装置用制御ユニット
  • インフラ関連機器メーカー製 鉄道車両用情報機器
  • 電機メーカー製 ネイルプリンター製品

など