ADuCM320とは?仕様・機能・評価ボード・開発環境・対応OSを紹介

ADuCM320シリーズは、アナログデバイセズのマイクロコンピュータです。ADuCM320シリーズは、オプティカル(光・光通信)モジュールやオプティカルデバイスのアプリケーション向けに、MDIOインターフェースを搭載しています。

ADuCM320シリーズのラインアップ

ADuCM320シリーズのラインアップとそれぞれのデータシートは、以下の通りです。

ADuCM320 ADuCM320のデータシート
ADuCM320i ADuCM320iのデータシート
ADuCM322 ADuCM322のデータシート

ADuCM320ファミリー・シリーズの仕様

アナログ入力/出力
  • 多チャンネル、最大14ビット、1MSPS A/Dコンバータ(ADC)
    • 最大16個のADC入力チャンネル
  • 範囲0 V ~ 2.5 V又はAVDDの8個の12ビットVDAC
  • 0 mA ~ 150 mAの範囲の出力が可能な4個の12ビットIDAC
  • 電圧コンパレータ
マイクロコントローラ
  • ARM Cortex™-M3プロセッサ、32ビットRISCアーキテクチャ
クロック・オプション
  • プログラマブル分周器付き80MHz PLL
  • 調整済みオンチップ発振器(±3%)
メモリ
  • 2×128kBの独立したFlash/EEメモリ
  • フラッシュ/EEの書き換え回数:10,000サイクル
  • フラシュ/EEの保持時間:20年間
  • 32kB SRAM
オンチップ周辺回路
  • 最大4MHzのMDIOスレーブ
  • 2×I2C、2×SPI、UART
温度範囲
  • 周囲温度-40℃~+105℃の動作に対して完全に仕様を規定

出典:ADuCM320
ADuCM320i
ADuCM322

ADuCM320ファミリ・シリーズとは

アナログ・デバイセズが提供するADuCM320ファミリーは、80MHz Cortex M3と、産業機器における閉ループ制御に適した豊富なアナログ・ペリフェラルを6mm x 6mmに集積化したマイクロコントローラです。
アナログ・ペリフェラルとしては、14bit 16ch 1MSPSのSAR ADC、12bit 8ch 2.5V VDAC、12bit 4ch 150mA IDAC (ADuCM320, ADuCM320i)、コンパレータ、オンチップリファレンス、温度センサーが含まれます。
これらのアナログ・ペリフェラルを用いてレーザー制御などの閉ループ制御に必要な回路の大部分を集積化することが可能となります。
また、256kBのFlash、32kBのSRAMを内蔵し、Flashは128kB x 2面構成なので、システムの稼働中にユーザープログラムをアップデートするといったロバストな運用が可能です。

出典:アナログ・デバイセズ株式会社

ADuCM320ファミリ・シリーズは、MDIOインターフェースを搭載したマイコンです。

MDIOインターフェースとは

MDIOインターフェースとは、イーサネットの論理層(MAC)と物理層(PHY)のインターフェースのこと。入出力データ管理を意味するManagement Data Input/Outputの略。媒体独立インターフェースを意味するMedia-independent interfaceを略し、「MII」と呼ばれることもある。

MDIOインターフェースにより、ADuCM320ファミリ・シリーズは、1個のフラッシュ・ブロックからのプログラム実行と、他のフラッシュ・ブロックの書き込み・消去を同時に実行できます。

このため、ADuCM320ファミリ・シリーズは、オプティカル(光・光通信)モジュールやオプティカルデバイスのアプリケーションに適しています。

ADuCM320ファミリ・シリーズの入手方法

ADuCM320ファミリ・シリーズは、アナログデバイセズの販売代理店や下記のオンラインショップなどで購入できます。

ADuCM320ファミリ・シリーズの開発環境

ADuCM320ファミリ・シリーズの開発環境は、下記の通りです。

  • IAR Embedded Workbench for ARM
  • Arm Keil MDK

ADuCM320ファミリ・シリーズの評価ボード

ADuCM320ファミリ・シリーズの評価ボードは、EVAL-ADUCM320があります。

搭載マイコン 特徴 対象 データシート
EVAL-ADUCM320 ADuCM320、ADuCM322 最小限の外付け部品で評価が可能 すぐに開発をスタートしたい方 EVAL-ADUCM320のデータシート

EVAL-ADUCM320には、評価ボード、J-Link OBエミュレーター、USBケーブル1本、インストールDVD 1枚が入っています。

このため、EVAL-ADUCM320は、最小限の外付け部品で評価が可能です。

EVAL-ADUCM320は、「すぐに開発をスタートしたい」という方に最適の評価ボードです。

ADuCM320ファミリ・シリーズの対応OS

ADuCM320ファミリ・シリーズに対応しているOSは以下の通りです。

  • FreeRTOS
  • μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact(弊社製品)

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。

μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。

小さいフットプリント
マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
μC3/Configurator付属
選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮や、コーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートすることができます。
豊富なCPUサポート
業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
省電力対応
デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。

詳しい資料をご希望の方は、下記より製品ガイドをダウンロードしてください。

資料ダウンロード(無料)

μC3のライセンスの種類・詳細

ライセンスの種類

ライセンスの種類は3つあります。

  • 研究開発用プロジェクトライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス
  • プラットフォームライセンス

研究開発用プロジェクトライセンス

研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。

研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。

有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。

開発量産用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。

有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。

プラットフォームライセンス

プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。

※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。

お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。

ポイント
  • 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
  • プラットフォームライセンス   :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス

ライセンスの詳細

  • ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
  • 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
  • 提供形態 :ソースコード
  • 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
  • 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
  • μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています

ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。

資料ダウンロード(無料)

保守について

製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。

また、年間保守費用は製品定価の40%になります。

無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)

*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。

保守サービスには以下が含まれています。

  • メールによる技術サポート(1営業日以内に1次回答)
  • 製品の無償バージョンアップ

ADuCM320ファミリ・シリーズとμC3/Compactの導入事例

  • 光コンポーネント製品メーカー製 PAM変調光トランシーバファームウェア