Vybrid VF6xxとは?仕様・機能・評価ボード・開発環境・対応OSを紹介

Vybrid VF6xxは、NXPセミコンダクターズ(以下NXP社)の高性能マイクロコントローラです。VF6xxは、LCDや、デュアルUSB、デュアルEthernet、およびL2スイッチを備えた産業オートメーションおよびHMI向けのマイコンです。

Vybrid VF6xxの仕様

Operating Frequency [Max] (MHz) RAM (kB) UART CAN I2C
MVF60NN151CMK40 400 1500 6 2 4
MVF60NN151CMK50 500 1500 6 2 4
PVF60NN151CMK50 500 1500 6 2 4
MVF60NS151CMK40 400 1500 6 2 4
MVF60NS151CMK50 500 1500 6 2 4
PVF60NS151CMK50 500 1500 6 2 4
MVF61NN151CMK50 500 1000 6 2 4
MVF61NS151CMK50 500 1000 6 2 4
MVF62NN151CMK40 400 1500 6 2 4

出典:VF6xx

Vybrid VF6xxとは

VFxxxコントローラーとは

VFxxxコントローラーは、NXP社が提供しているマイコンシリーズです。VFxxxコントローラーの特長は、高解像度のグラフィック表示や、高い接続性です。

VFxxxコントローラーは、以下の2種類のシリーズに分けられます。

  • VFxxx Fシリーズ:インダストリアル/コマーシャル向け
  • VFxxx Rシリーズ:自動車用

VF6xxは、VFxxx Fシリーズに属します。

Vybrid VF6xxの特徴

VF6xxファミリは、Arm®Cortex®-A5コアとCortex-M4コアを組み合わせたヘテロジニアス・デュアルコア・ソリューションです。

原文は、以下の通りです。

The VF6xx family is a heterogeneous dual-core solution that combines the Arm® Cortex®-A5 and Cortex-M4 cores.

出典:VF6xx

Vybrid VF6xxファミリは、Cortex-A5とCortex-M4の2つを搭載したデュアルコアマイコンです。

デュアルコアとは

デュアルコアとは、マルチコアの種類の一つ。コアを2つ搭載したマルチコアのこと。

マルチコアとは

マルチコアとは、1つのCPUの中に複数のCPUコアを内蔵する技術のこと。マルチコアのプロセッサは、複数の処理を並列しておこなうことで、シングルコアに比べ高い処理能力を実現している。

Cortex-A5は最大500MHz、Cortex-M4コアは最大167MHzで動作します。このため、Cortex-A5を高度なアプリケーション処理、Cortex-M4を低消費電力モードやリアルタイム性の高い処理に充てることで、消費電力と性能を最適なバランスで実現できます。

また、Vybrid VF6xxファミリは、同シリーズのVF4x、VF5x、VF7xファミリとピンおよびソフトウェアの互換性を有しています。

さらに、VVybrid VF6xxファミリは、LCDなどの豊富なHMI、デュアルUSB、デュアルEthernet、およびL2スイッチを備えています。

HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)とは

人間と機械が情報をやりとりするための手段や道具の総称。コンピュータにおけるHMIは「ユーザーインターフェース(UI)」と呼ばれることが多い。

VVybrid VF6xxファミリのターゲット・アプリケーション例は以下の通りです。

  • 産業オートメーション
  • 医療システム
  • 複数レーン用POS(販売時点管理端末)
  • ビル制御

出典:ARM®テクノロジ・ベースのフリースケールの組込みプロセッサ&マイクロコントローラ

Vybrid VF6xxファミリのデータシートは、以下をご覧ください。

Vybrid VF6xファミリのデータシート

Vybrid VF6xxの入手方法

Vybrid VF6xxは、NXP社の販売代理店や以下のオンラインショップなどで購入できます。

Vybrid VF6xxの開発環境

Vybrid VF6xxに対応した代表的な開発環境は、以下の通りです。

  • DS-5 Vybrid Edition
  • IAR Embedded Workbench for ARM

Vybrid VF6xx評価ボード

Vybrid VF6xxの評価ボードとして、「VFxxx Controller Solutions Tower System Module」が用意されています。

搭載マイコン 特徴 対象 データシート
VFxxx Controller Solutions Tower System Module VF6xx ARM DS-5スターターキットが付属しており、サンプルコードも用意されている すぐに評価をスタートしたい方 VFxxx Controller Solutions Tower System Moduleのデータシート

VFxxx Controller Solutions Tower System Moduleは、NXP社純正の評価ボードです。

VFxxx Controller Solutions Tower System Moduleは、ARM DS-5スターターキットが付属しており、サンプルコードも用意されているため、すぐに評価が可能です。

VFxxx Controller Solutions Tower System Moduleの価格や購入場所は、以下をご覧ください。

VFxxx Controller Solutions Tower System Moduleの価格、購入場所

Vybrid VF6xxの対応OS

Vybrid VF6xxに対応しているOSは以下の通りです。

  • MQX RTOS
  • Timesys Linux® BSP
  • eT-Kernel
  • FreeRTOS
  • μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact(弊社製品)
    ※Cortex-M4のみ対応

 

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。

μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。

小さいフットプリント
マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
μC3/Configurator付属
選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮や、コーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートすることができます。
豊富なCPUサポート
業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
省電力対応
デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。

詳しい資料をご希望の方は、下記より製品ガイドをダウンロードしてください。

資料ダウンロード(無料)

μC3のライセンスの種類・詳細

ライセンスの種類

ライセンスの種類は3つあります。

  • 研究開発用プロジェクトライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス
  • プラットフォームライセンス

研究開発用プロジェクトライセンス

研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。

研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。

有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。

開発量産用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。

有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。

プラットフォームライセンス

プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。

※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。

お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。

ポイント
  • 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
  • プラットフォームライセンス   :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス

ライセンスの詳細

  • ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
  • 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
  • 提供形態 :ソースコード
  • 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
  • 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
  • μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています

ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。

資料ダウンロード(無料)

保守について

製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。

また、年間保守費用は製品定価の40%になります。

無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)

*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。

保守サービスには以下が含まれています。

  • メールによる技術サポート(1営業日以内に1次回答)
  • 製品の無償バージョンアップ

Vybrid VF6xxとμC3/Compactの導入事例

  • ミシンメーカー製 サーボプレス