
TXZ4シリーズは、東芝デバイス&ストレージ(以下東芝)の汎用マイクロコントローラです。TXZ4シリーズは、Cortex-M4を搭載しており、高効率信号処理アプリケーションに対応しています。
TXZ4の仕様
M4Kグループ | M4Gグループ | M4Lグループ | |
---|---|---|---|
最大ROMサイズ(Kbyte) | 512 | 1536 | 128 |
データフラッシュ(Kbyte) | 32 | 32 | – |
最大RAMサイズ(Kbyte) | 24 | 1536 | 6 |
最大DMAコントローラー(ch) | 32 | 47 | – |
最大I/Oポート数(本) | 131 | 150 | 37 |
CAN(ch) | 1 | 1 | – |
UART(ch) | 4 | 8 | 3 |
I2C(ch) | 2 | 5 | – |
東芝シリアルペリフェラルインターフェース[TSPI](ch) | 4 | 9 | 3 |
パッケージ | 4 | 9 | 3 |
東芝シリアルペリフェラルインターフェース[TSPI](ch) | P-LQFP100-1414-0.50-002 P-LQFP128-1420-0.50-001 P-LQFP144-2020-0.50-002 P-LQFP32-0707-0.80-002 P-LQFP44-1010-0.80-003 P-LQFP48-0707-0.50-002 P-LQFP64-1010-0.50-003 P-LQFP64-1212-0.65-001 P-LQFP64-1414-0.80-002 P-LQFP80-1212-0.50-003 P-LQFP80-1414-0.65-001 P-QFP100-1420-0.65-001 |
LQFP44-P-1010-0.80B LQFP48-P-0707-0.50D P-LQFP100-1414-0.50-002 P-LQFP128-1414-0.40-001 P-LQFP128-1420-0.50-001 P-LQFP144-2020-0.50-002 P-LQFP176-2020-0.40-002 P-LQFP32-0707-0.80-002 P-LQFP44-1010-0.80-003 P-LQFP48-0707-0.50-002 P-LQFP64-1010-0.50-003 P-LQFP64-1212-0.65-001 P-LQFP64-1414-0.80-002 P-LQFP80-1212-0.50-003 P-LQFP80-1414-0.65-001 P-QFP100-1420-0.65-001 P-VFBGA145-1212-0.80-001 P-VFBGA177-1313-0.80-001 |
LQFP44-P-1010-0.80B LQFP48-P-0707-0.50D |
最大ピン数 | 144 | 177 | 48 |
TXZ4とは
TXZ4シリーズは、Cortex-M4を搭載しており、高効率信号処理アプリケーションに対応しているマイコンです。
TXZ4の製品ラインアップ
TXZ4の製品ラインアップは、下記の通りです。
製品 | 特徴 |
---|---|
M4Kグループ(1) | 複数のモーター制御に特化 |
M4Kグループ(2) | 3モーターの同時制御が可能 |
M4Gグループ | 高速データ処理に特化 |
M4Lグループ | 1モーター制御に最適 |
TXZ4シリーズのM4Kグループ(1)
M4Kグループ(1)は、モーター制御に特化したマイコンです。
M4Kグループ(1)は、ADコンバーターを高速化しています。これにより、従来であれば100ピンクラスの品種が必要でしたが、TXZ4では、64ピンという少ない端子数で2つのモーター制御が可能です。
M4Kグループ(1)は、家電製品などモーター制御が必要な機器全般に適しています。
TXZ4シリーズのM4Kグループ(2)
M4Kグループ(2)は、3モーターの同時制御が可能なマイコンです。
M4Kグループ(2)は、ADコンバーターおよびアドバンストプログラマブルモーター制御回路(A-PMD)を3ユニット内蔵しています。これにより、3モーターの同時制御を実現しています。
M4Kグループ(2)は、家電製品などモーター制御が必要な機器全般に適しています。
TXZ4シリーズのM4Gグループ
M4Gグループは、多彩なインターフェースと通信チャネルを搭載し、高速データ処理に特化したマイコンです。
M4Gグループは、高精度アナログ回路に加え、高速DMAコントローラと多機能DMAコントローラの2種類のDMAコントローラを搭載しています。これにより、効率の良いデータ転送を実現しています。
DMA(読み方:ディーエムエー)とは
DMAとは、データ転送方式の一つ。DMAでは、CPUを介さず、入出力装置とメモリの間でデータ転送を行う。「直接メモリアクセス」を意味するDirect Memory Accessの略。これにより、CPUの負担を軽減し、システム全体の性能が向上する。また、DMAの制御を行う専用のICをDMAコントローラ(DMAC)と呼ぶ。
M4Gグループは、OA機器やAV機器、産業機器などの用途に適しています。
TXZ4シリーズのM4Lグループ
M4Lグループは、1モーター制御に最適なマイコンです。
東芝オリジナルのベクトルエンジンを内蔵しており、CPU負荷を抑えたモーター制御が可能です。このため、複数のモーター制御よりも、1モーター制御に最適化されています。
M4Lグループは、家電製品などモーター制御が必要な機器全般に適しています。
TXZ4シリーズの入手方法
TX04シリーズのマイコンは、以下の東芝の特約店やオンラインショップなどで購入できます。
TX04シリーズの開発環境
TXZ4シリーズに対応した代表的な開発環境は、以下のとおりです。
- Arm Keil MDK
- IAR Embedded Workbench for ARM
TXZ4シリーズの評価ボード
特徴 | 対象 | データシート | |
---|---|---|---|
AdBun-M4G9 | デバッガー機能を搭載 | 現在生産されている評価ボードは本製品のみ | AdBun-M4G9のデータシート |
AdBun-M4G9
AdBun-M4G9は、センシスト社製の評価ボードです。
AdBun-M4G9の特徴は、デバッガー機能を搭載している点です。
AdBun-M4G9は、2021年1月現在、唯一生産されている市販の評価ボードです。このため、評価ボードによるTXZ4シリーズの評価には、本製品を使用することとなります。
TXZ4シリーズの対応OS
TXZ4に対応している主なOSは、下記の通りです。
- embOS
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact(弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。
μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。
TXZ4とμC3/Compactの導入事例
- 電気通信機器メーカー製 複合機及びその周辺装置