PSoC 6とは?仕様・機能・評価ボード・開発環境・対応OSを紹介

PSoC 6とは、サイプレス セミコンダクタ(以下、「サイプレス」)のマイクロコントローラです。PSoC 6は、Arm Cortex-M4を搭載したSoCです。PSoC 6は、IoTに特化しており、IoTデバイスが必要とする処理性能を満たしています。

SoC(読み方:エスオーシー、ソック)とは

SoCとは、プロセッサの種類の一つ。SoCとは、システムに必要なあらゆる機能を1つのチップ上に搭載したもの。SoCは、「システムを一つのチップ上に載せる」を意味する「System on a Chip」の略。システム全体をチップ上に搭載することで、小型化が可能になるというメリットがある。また、システムの内部接続により消費電力も抑えられる。

PSoCシリーズの製品ライン

PSoC 6を含むPSoCシリーズの製品ラインは、下記の通りです。

製品ライン 特徴
PSoC 1 8ビットM8Cコアマイコン
PSoC 3 8ビット8051マイコン
PSoC 4 32ビットARM Cortex-M0マイコン
PSoC 5LP 32ビットARM Cortex-M3マイコン
PSoC 6 32ビットARM Cortex-M4/Cortex-M0+ マイコン
PSoC アナログコプロセッサ 低コストなアナログコプロセッサ

PSoC 6の仕様

PSoC 61 PSoC 62 PSoC 63 PSoC 64
コア Arm Cortex-M4 Arm Cortex-M4およびCortex-M0 + Arm Cortex-M4およびCortex-M0 + Arm Cortex-M4およびCortex-M0 +
フラッシュ/ SRAM 1024 KB / 288 KB 2048 KB / 1024 KB 1024 KB / 288 KB 1856 KB / 920 KB
Bluetooth Low Energy なし なし あり あり
GPIO 100 102 84 102
低電力 LPまたはULP FLEX FLEX FLEX
セキュリティファームウェア なし なし なし あり
CapSense あり あり あり あり
QSPI あり あり あり あり
I2C あり あり あり あり
USB あり あり あり あり
DMA あり あり あり あり
SAR ADC あり あり あり あり
LCD あり あり あり あり
暗号 あり あり あり あり
セキュアブリート なし あり あり あり

出典:32-bit Arm® Cortex®-M4 Cortex-M0+ PSoC® 6

PSoC 6とは

PSoC 6は、IoT向け低消費電力マイコン

PSoC 6は、サイプレス社製のプログラム可能なシステムオンチップです。PSoCとは、「Programmable System On Chip」の略です。PSoC 6は、PSoCの中でもIoTに特化しており、IoTデバイスが必要とする処理性能を満たしています。

PSoC6は、デュアルCPU設計となっています。ARM Cortex-M4およびCortex-M0+の二つがシングルチップ上に搭載されています。(PSoC 61を除く)

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PSoC 6の機能

  • シングルまたはデュアルArm®Cortex®-M4FおよびArm®Cortex®-M0+ CPU
  • Bluetooth Low Energy(Bluetooth Smart)
  • 低電力1.7 V〜3.6 V動作
  • プログラマブルアナログ
  • CapSense
  • セキュリティ

出典:32-bit Arm® Cortex®-M4 Cortex-M0+ PSoC® 6

CapSenseとは

サイプレス社の提供するタッチボタン向けソリューション。既存の機械的なボタン(スイッチ)を静電容量方式のタッチセンサで置き換えている。

PSoC 6の製品ライン

PSoC 6の製品ラインは、下記の通りです。

  • PSoC 61:プログラマブルライン
  • PSoC 62:パフォーマンスライン
  • PSoC 63:コネクティビティライン
  • PSoC 64:セキュリティライン

PSoC 6の入手方法

PSoC 6のマイコンは、サイプレス社の販売代理店や下記のオンラインショップなどで購入できます。

PSoC 6の開発環境

PSoC 6に対応した代表的な開発環境は、下記の通りです。

ポイント
  • PSoC 6は、IoT向け低消費電力マイコン
  • PSoC6は、デュアルCPU設計

PSoC 6評価ボード

PSoC 6の主な評価ボードは、下記の通りです。

搭載マイコン 特徴 対象
PSoC 6 BLE Prototyping Kit CY8CPROTO-063-BLE CY8C6347BZI-BLD53 PSoC 63 BLEモジュールを搭載 IoTデザインにBluetooth接続を設計したい
PSoC 6 Wi-Fi BT Prototyping Kit CY8CPROTO-062-4343W CY8C624ABZI-D44 PSoC 62 Wi-Fiモジュールを搭載 Wi-Fi接続のIoTデバイスを設計したい
PSoC 6-BLE Pioneer Kit Clicker 2 for PSoC 6 CY8C6347BZI-BLD53 BLE設計を開発するためのオンボードアンテナを搭載 BLE通信やディスプレイ、マイクを使ったアプリケーションを設計したい
Clicker 2 for PSoC 6 CY8C6347BZI-BLD53 コンパクトに設計されている 必要な機能だけに集中して設計したい

PSoC 6 BLE Prototyping Kit CY8CPROTO-063-BLE

CY8CPROTO-063-BLEは、PSoC 63 BLEモジュールが搭載されています。このため、CY8CPROTO-063-BLEは、「IoTデザインにBluetooth接続を設計したい」という方に最適な評価ボードです。

PSoC 6 BLE Prototyping Kit CY8CPROTO-063-BLEの価格・購入場所

PSoC 6 Wi-Fi BT Prototyping Kit CY8CPROTO-062-4343W

CY8CPROTO-063-BLEは、PSoC 62 Wi-Fiモジュールが搭載されています。このためCY8CPROTO-063-BLEは、「Wi-Fi接続のIoTデバイスを設計したい」という方に最適な評価ボードです。

PSoC 6 BLE Prototyping Kit CY8CPROTO-063-BLEの価格・購入場所

PSoC 6-BLE Pioneer Kit CY8CKIT-062-BLE

CY8CKIT-062-BLEは、BLE設計を開発するためのオンボードアンテナが搭載されています。

また、E-Inkディスプレイシールドボードも搭載されています。このボードは、ディスプレイやセンサー、デジタルマイクが含まれています。

このためCY8CKIT-062-BLEは、「BLE通信やディスプレイ、マイクを使ったアプリケーションを設計したい」という方に最適な評価ボードです。

PSoC 6-BLE Pioneer Kit CY8CKIT-062-BLEの価格・購入場所

Clicker 2 for PSoC 6

Clicker 2 for PSoC 6は、Mikroelectronica社製の評価ボードです。PSoC 62 Wi-Fiモジュールが搭載されています。このため、Wi-Fi接続を設計できます。また、Clicker 2 for PSoC 6は、コンパクトに設計されたボードです。このためClicker 2 for PSoC 6は、「必要な機能だけに集中して設計したい」という方に最適な評価ボードです。

Clicker 2 for PSoC 6の価格・購入場所

ポイント
  • CY8CPROTO-063-BLE:Bluetooth接続を設計できる評価ボード
  • CY8CPROTO-063-BLE:Wi-Fi接続を設計できる評価ボード
  • Clicker 2 for PSoC 6 :必要な機能だけに集中して設計できる評価ボード

PSoC 6の対応OS

PSoC 6に対応している主なOSは、下記の通りです。

  • FreeRTOS
  • ThreadX
  • μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact(弊社製品)

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。

μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。

小さいフットプリント
マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
μC3/Configurator付属
選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮や、コーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートすることができます。
豊富なCPUサポート
業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
省電力対応
デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。

詳しい資料をご希望の方は、下記より製品ガイドをダウンロードしてください。

資料ダウンロード(無料)

μC3のライセンスの種類・詳細

ライセンスの種類

ライセンスの種類は3つあります。

  • 研究開発用プロジェクトライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス
  • プラットフォームライセンス

研究開発用プロジェクトライセンス

研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。

研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。

有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。

開発量産用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。

有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。

プラットフォームライセンス

プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。

※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。

お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。

ポイント
  • 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
  • プラットフォームライセンス   :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス

ライセンスの詳細

  • ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
  • 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
  • 提供形態 :ソースコード
  • 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
  • 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
  • μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています

ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。

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保守について

製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。

また、年間保守費用は製品定価の40%になります。

無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)

*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。

保守サービスには以下が含まれています。

  • メールによる技術サポート(1営業日以内に1次回答)
  • 製品の無償バージョンアップ

PSoC 6とμC3/Compactの導入事例

  • 電機メーカー製 ミラーレスカメラ 交換レンズ

など