AM243xシリーズとは?仕様・機能・評価ボード・開発環境・対応OSを紹介
AM243xシリーズは、テキサス・インスツルメンツ社(以下TI社)のマイコンです。AM243xシリーズは最大4つのArm®Cortex®-R5F MCUを搭載し、最高800MHzで動作します。これに加えてサブコアとしてシングルコア Arm®Cortex®-M4F MCUとSitara’sギガビットTSN対応PRU_ICSSGのインスタンスを搭載し、リアルタイム制御に適しています。

AM243xシリーズの仕様

AM2434 AM2432 AM2431
Arm®Cortex®-R5F MCU搭載数 2 × Dual Core 2 × Single Core 1 × Single Core
最大動作周波数 800MHz
(S Grade)
サブMCU Arm® Cortex®-M4F
RAM 2MB
ADC type 12-bit SAR

出典:テキサス・インスツルメンツ「AM243x

AM243xシリーズ について

ここからは、 AM243xシリーズ についてさらに詳しく紹介していきます。

TI Arm®ベース・マイコンとは

TI のクラス最高の Arm®-Cortex ベース 32 ビット・マイコン (MCU) は、高性能で電力効率の高いデバイスで構成されたスケーラブルな製品ラインアップを実現しており、開発中システムのニーズを満たしやすくなります。開発中の設計で、機能安全、電力効率、リアルタイム制御、高度なネットワーク、分析、セキュリティなどの機能を実現できます。業界をリードする TI の評価ツール、リファレンス・デザイン、開発リソースを活用すると、開発を迅速化できます。

引用:Arm® ベースのマイコン

TI Arm®ベース・マイコン は、産業用と車載システム向けの低コスト、高集積のマイコンです。

TI Arm®ベース・マイコン のラインアップ

TI Arm®ベース・マイコン のラインアップは以下になります。

  • Arm® Cortex®-M0+シリーズ:エコシステムとの相性がよく活用すると、コストや開発期間の短縮が可能
  • Arm® Cortex®-M4シリーズ:機能の豊富な多数の通信ペリフェラルを搭載しており、信頼性が高い
  • Arm® Cortex®-Rシリーズ:リアルタイム制御に欠かせない高性能なコンピューティングを提供

出典: Arm® ベースのマイコン

AM243xシリーズ は、リアルタイム制御に欠かせない高性能なコンピューティングを提供する「Arm® Cortex®-Rシリーズ」に属します。

TI Arm®Cortex-R マイコンとは

TI Arm®Cortex-R マイコン は、リアルタイム制御が必要な組込みシステムに適したシリーズです。高度なネットワーク機能、分析、信号処理、安全機能などを提供します。

TI Arm®Cortex-R マイコンのラインアップ

TI Arm®Cortex-R マイコン のラインアップは以下になります。

  • AM2xファミリ:高性能な産業用およびEV/HEVアプリケーション向けファミリ
  • Hercules™safety MCUsファミリ:高い安全性を提供する、自動車および産業用アプリケーション向けファミリ

出典: Arm®Cortex-R マイコン

AM243xシリーズ は、高性能な産業用およびEV/HEVアプリケーション向け「AM2xファミリ」に属します。

EV(読み方:イーブイ)とは

EVとは、「Electric Vehicle」の略で、電気自動車のこと。ガソリンエンジンを使用せず、リチウムイオンバッテリーや二次電池を搭載した車を指す場合が多い。

HEV(読み方:ヘブ/エイチ・イーブイ)とは

EVとは、「Hybrid Electric Vehicle」の略で、ハイブリット車のこと。ガソリンエンジンと電気エンジンを掛け合わせて動く車。

AM2xファミリとは

AM2xファミリ は、産業用およびEV/HEVアプリケーションまで幅広い分野で利用できます。リアルタイム制御、ネットワーク分析、セキュリティなどの機能を実現できます。

AM2xファミリのラインアップ

AM2xファミリのラインアップは以下になります。

  • AM243xシリーズ:Arm®Cortex®-R5F MCUを搭載した産業用アプリケーション向け
  • AM263xシリーズ:Arm®Cortex®-R5F MCUを搭載した産業用および車載組込み製品向け
  • AM273xシリーズ:Arm®Cortex®-R5F MCUを搭載した産業用および車載アプリケーション向け

出典: Arm®Cortex-R マイコン

ここの記事では「AM243xシリーズ」を紹介します。

AM243xシリーズ のラインアップ

AM243xシリーズのラインアップの製品ラインは以下になります。

  • AM2434:デュアルコアArm® Cortex®-R5Fを2つ搭載
  • AM2432:シングルコアArm® Cortex®-R5Fを2つ搭載
  • AM2431:シングルコアArm® Cortex®-R5Fを搭載

出典:AM243xシリーズ

シングルコアと、デュアルコアやクアッドコアのようなマルチコアについては以下で解説しています。

シングルコアとは

シングルコアとは、コアを1つだけ内蔵したプロセッサのこと。シングルコアは、通常マルチコアと対比する文脈において使われる言葉。

組み込みにおけるシングルコア、シングルコアプロセッサとは?意味・定義・特徴をわかりやすく解説

デュアルコアとは

コアを複数搭載したマルチコアのうち、コアを2つ搭載したものをデュアルコアと言う。

組み込みにおけるマルチコア、マルチコアプロセッサとは?種類・定義・特徴をわかりやすく解説

AM243xシリーズ とは

AM243x は、Sitara の産業用グレード・ポートフォリオを拡張した高性能マイクロコントローラです。 AM243x デバイスは、モーター・ドライブやリモート I/O モジュールなど、リアルタイムの通信と処理を組み合わせる必要がある産業用アプリケーション向けに設計されています。 AM243x ファミリは、最大 4 つの Cortex-R5F MCU、1 つの Cortex-M4F と、Sitara のギガビット TSN 対応 PRU-ICSSG のインスタンスが 2 つ含まれ、性能がスケーラブルです。

引用:AM2434

AM243xシリーズは、最大4つのArm®Cortex®-R5F MCUを搭載し、最高800MHzで動作します。

これに加えてサブコアとしてシングルコア Arm®Cortex®-M4F MCUとSitara’sギガビットTSN対応PRU_ICSSGのインスタンスを搭載し、リアルタイム制御に適しています。

TNS(読み方:ティーエスエヌ)とは

TSNとは「Time-Sensitive Networking」の略で、TSNは、イーサネット技術のリアルタイム性の向上をさせるために設計された一連の規格。イーサネットワーク上で時刻同期やトラフィックのマネージメントを行い、定時性を有したメッセージングを可能にする。

PRU_ICSSGとは

PRU_ICSSGとは、ギガビットTSNに対応したPRU_ICSS(Programmable Real-Time Unit Industrial Communication Sub-System)のこと。PRU_ICSSとは、ARMコアとは別に内蔵されているコプロセッサで、工業通信やペリフェラルの制御などをサポートします。

【特長1】高速なCPU処理

AM243xシリーズは、最大4つのArm®Cortex®-R5F MCUが搭載されて、従来の組込み用マイコンよりも高速なCPU処理が実現できます。6000DMIPS以上の演算能力で処理を行い、リアルタイム制御に優れているのが特長です。

【特長2】 ネットワーキングに強い

AM243xシリーズは 、Sitara’sギガビットTSN対応PRU_ICSSGのインスタンスが2システム含まれています。ギガビットTSNをシステム当たり2ポート対応しています。

【特長3】豊富なインターフェイス

AM243xシリーズは、PRU_ICSSGのインスタンスと合わせ最大6ポートのギガビットイーサネット構成が可能です。

PRU_ICSSGの利用で、UART インターフェイス、シグマ・デルタ・デシメーション・フィルタ、アブソリュート・エンコーダ・インターフェイスが追加できます。産業通信プロトコルとモータ制御インターフェイスのどちらも実現できます。

【特長4】優れた電力効率

一般的なアプリケーションであれば、6000DMIPS以上の演算処理を1W未満の消費電力で動作が可能です。

AM243xシリーズの主なアプリケーション例

AM243xシリーズは、以下のアプリケーションに適しています。

  • プログラマブルコントローラ(PLC)
  • モータドライブ
  • リモートI/O
  • 産業ロボット
  • 汎用コントローラ

AM243xシリーズの入手方法

AM243xシリーズは、TI社の正規販売店や下記のオンラインショップなどで購入できます。

AM243xシリーズの開発環境

AM243xシリーズに対応した代表的な開発環境は、以下の通りです。

  • Industrial Communications SDK
  • MCU+ SDK – RTOS
  • Motor Control SDK
  • Code Composer Studio
  • IAR Embedded Workbench
  • SysConfig

AM243xシリーズ評価ボード

2023年10月現在、AM243xシリーズの評価ボードは以下の通りです。

サポートCPU 特長 対象 データシート
LP-AM243 Arm® Cortex®-R5Fベースマイコン(AM2431,AM2432,AM2434) 標準化されたプラットフォーム

2個のブースタパック・プラグイン・モジュールとの接続をサポート

初期評価とプロトタイプ開発したい人向け LP-AM243のデータシート
TMDS243EVM Arm® Cortex®-R5Fベースマイコン(AM2431,AM2432,AM2434) HS-FSシリコン採用でセキュリティ・アプリケーションで鍵と暗号化をカスタマイズ

オンボード・ディスプレイは、LED に加え利便性の高い視覚的出力に活用可能

アプリケーションのプロトタイプ開発をしたい人向け TMDS243EVMのデータシート

LP-AM243

LP-AM243は、標準化されたプラットフォームで使いやすいのが特長です。

また、2個のRJ45イーサネット・ポートを搭載し、1Gbps または 100Mbpsの速度に対応しています。

すぐに製作が開始でき、初期評価とプロトタイプ開発したい人に適しています。

TMDS243EVM

TMDS243EVMは、高度セキュリティ対応シリコンを採用しており、セキュリティ・アプリケーションで鍵と暗号化をカスタマイズできるのが特長です。

開発者はセキュリティ機能、産業用や標準的なイーサネットを使用して、評価開発ができ、アプリケーションのプロトタイプ開発をしたい人に適しています。

AM243xシリーズ の対応OS

AM243xシリーズに対応している主なOSは、以下の通りです。

  • μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard(弊社製品)

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

高性能リアルタイム処理向けRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standardは、μITRON4.0のスタンダードプロファイルをベースに、32/64ビットプロセッサが搭載された組み込みシステム向けのRTOSです。

μC3/Standardは、高性能プロセッサがより高度なリアルタイム制御に耐えられるよう、割込み禁止時間を極力なくし、割込み応答性を最重要課題として設計したRTOSです。

Arm® Cortex®-Aシリーズ、Arm® Cortex®-Rシリーズだけでなく、高性能な Arm® Cortex®-MやRenesas RXシリーズにも対応しています。

32/64bitの高性能プロセッサに最適化
割り込み応答性を高め、32/64bitの高性能プロセッサ向けに最適化されたμITRON4.0仕様のカーネル。
豊富なプロセッサ・サポート
業界随一のプロセッササポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサ
ポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
マルチコア対応
組み込み機器向けに最適なAMP型カーネル。マルチコアによって、リアルタイム性能を強化します。
豊富なデバイスドライバを用意
I2C, SPI, GPIO, SDなどのデバイスドライバをオプションで用意。(UART, Timer, INTCはμC3に、EthernetドライバはμNet3に付属しています。)

詳しい資料をご希望の方は、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてください。

資料ダウンロード(無料)

μC3のライセンスの種類・詳細

ライセンスの種類

ライセンスの種類は3つあります。

  • 開発量産用プロジェクトライセンス
  • プラットフォームライセンス
  • 研究開発用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。

有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。

プラットフォームライセンス

プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。

研究開発用プロジェクトライセンス

研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。

ライセンス費用は、開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。

有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。

ポイント
  • 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
  • プラットフォームライセンス   :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス
  • 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス

※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録いただく必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。

お客様のご要望にあわせて適切な範囲で設定させていただきますので、まずは、担当営業にご相談下さい。

ライセンスの詳細

    • ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
    • 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
    • 提供形態 :ソースコード
    • 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
    • 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
    • μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています

    ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。

    資料ダウンロード(無料)

    保守について

    製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。

    無償保守サービス終了後は有償での保守サービスとなります。そのまま継続でのご利用の場合、製品価格(研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の20%、非継続の後に再加入をされたい場合は研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の40%となります。

    プロジェクトライセンスと1年間の保守サービスを同時にご購入いただいた場合は、初回に限り15%とさせていただきます。

    保守サービスには以下が含まれています。

    • 製品の無償バージョンアップ対応
    • コンパイラのバージョンアップ対応
    • メールによる技術サポートサービス(1営業日以内に1次回答)