RA6M3とは?仕様・機能・評価ボード・開発環境・対応OSを紹介

RA6M3とは、ルネサスエレクトロニクス(以下、「ルネサス」)のマイクロプロセッサです。RA6M3は、Arm® Cortex®-M4を搭載しており、 IoT アプリケーション開発に適しているデバイスです。今回はRA6M3の概要や特長、開発環境についてご紹介します。

ルネサス RAファミリとは

ルネサス RAファミリの製品ラインアップ

ルネサス RAファミリは、多様なアプリケーションに幅広く使える業界トップクラスの32ビットMCUです。CPUコアにはArm® Cortex®-M33、M23、M4プロセッサを採用し、PSA Certified™を取得しています。

RAファミリは、

RAファミリは、
・強固な組込みセキュリティ
・ CoreMark®の優れたパフォーマンス
・超低消費電力
などを特長とし、競合する他のArm Cortex-M MCUに比べ大きなメリットを持っています。

RAファミリの製品ラインナップは以下の通りです。

  • RA8シリーズ
  • RA6シリーズ
  • RA4シリーズ
  • RA2シリーズ
シリーズ パフォーマンス範囲 特長 メモリ範囲 ASSP拡張機能
RA8 240MHz超 最高のパフォーマンス、 HMI、コネクティビティ、 セキュリティ、アナログ 2MBフラッシュ、1MB SRAM モータ/インバータ AI/ML HMI/td>
RA6 最大240MHz 高度なパフォーマンス、 コネクティビティ、 セキュリティ、拡張性 最大2MBフラッシュ、 640KB SRAM モータ/インバータ AI/ML HMI
RA4 最大100MHz 優れた電力効率と高パフォーマンスとの融合、セキュリティ 最大1MBフラッシュ、128KB SRAM モータ/インバータ センサ 無線
RA2 最大48MHz 低消費電力、静電容量式タッチ 最大256KBフラッシュ、32KB SRAM リッチ アナログ

出典:Renesas RAファミリ カタログ

RA8シリーズの特長

RA8シリーズは、最高のパフォーマンスとインテグレーションを目指した最上位製品シリーズです。240MHzを超えるシングル/デュアルコア、最大容量のフラッシュとRAMの統合で、とにかく高いパフォーマンスが要求される用途に適しているのが特長です。

RA6シリーズの特長

RA6シリーズは、イーサネットやTFTディスプレイドライバなど、最も幅広くコミュニケーションインタフェースを統合しています。 メモリ容量は、256KBフラッシュから2MBフラッシュまで対応可能

RA6シリーズは、Cortex-M4またはTrustZoneを備えた Cortex-M33コアを採用しており、最大240MHzのパフォーマンスを実現します。強固なセキュリティを実現するさまざまな機能が 実装されているため、高いセキュリティが要求される分野でも最適なデバイスとなっています。

RA4シリーズの特長

RA4シリーズは、適度な低消費電力を求める声とコネクティビティ需要との橋渡し役を務めます。メモリは256KBフラッシュから最大1MBフラッシュで、 幅広いコミュニケーションインタフェースを備えています。

Cortex-M4またはTrustZoneを備えた Cortex-M33コアをベースにしており、加えてセキュリティIPを実装しています。CPU周波数は最大100MHz。

RA2シリーズの特長

RA2シリーズはローエンドRAファミリとして位置づけられており、多くのアプリケーショ ンが要求する低消費電力性能です。最高のパフォーマンスを実現するため、特別な低消費電力モードが実装されており、バッテリ駆動用途で大いに力を発揮します。

最大256KBのメモリ容量のフラッシュが組み込まれており、1.6V〜5.5Vの供給電圧に幅広く対応。コアにはCortex-M23を採用し、CPU周波数は最大48MHzです。

RA6シリーズとは

RA6シリーズは、優れたパフォーマンスと、幅広いコミュニケーションインタフェースを備えるMCU。Arm® Cortex®-M4/M33 コアを搭載し動作周波数は最大240MHz、フラッシュメモリ容量は256KBから2MBまでです。

RA6シリーズは主に、

・イーサネット
・USB Full SpeedおよびHigh Speed
・QSPI
・OctaSPI
・CAN/CAN FD
・TFTディスプレイコントローラ
などの多彩な周辺機能を提供します。

 搭載するSecure Crypto Engineは、セキュアエレメント機能を実現でき、より高い水準で安全なシステムを構築することが可能です。また、RA6シリーズは、家電、計測器、その他の産業/コンシューマなど、IoTエンドポイントの幅広い用途に対応します。

グループ 特長
RA6M1 120MHz、Cortex-M4、512KBフラッシュ、256KB RAM、 64~100ピン、USB、CAN、セキュリティ
RA6M2 120MHz、Cortex-M4、最大1MBフラッシュ、384KB RAM、 100~145ピン、USB、CAN、イーサネット、セキュリティ
RA6M3 120MHz、Cortex-M4、最大2MBフラッシュ、640KB RAM、 100~176ピン、USB、CAN、IEEE 1588 PTP制御対応イーサネット、TFT、セキュリティ
RA6M4 200MHz、Cortex-M33、最大1MBフラッシュ、256KB RAM、 64~144ピン、USB、CAN、イーサネット、OctaSPI、TrustZoneの活用による高度なセキュリティ
RA6M5 200MHz、Cortex-M33、最大2MBフラッシュ、512KB RAM、 100~176ピン、USB、CAN FD、イーサネット、OctaSPI、TrustZoneの活用による高度なセキュリティ
RA6E1 200MHz、Cortex-M33、最大1MBフラッシュ、256KB RAM、 48~100ピン、USB、CAN、イーサネット、TrustZone
RA6T1 120MHz、Cortex-M4、最大512KBフラッシュ、64KB RAM、 64~100ピン、USB、CAN、サンプル/ホールド型ADC、
タイマ、PGA、高速コンパレータ

出典Renesas RAファミリ カタログ

RA6M3の特長

RA6M3の主な特長は以下の6つです。

  • IoT機器の開発に最適
  • UARTなど豊富なインタフェース
  • コネクティビティやセキュリティ機能を搭載したインテリジェント
  • Arm®Cortex®-M4プロセッサ搭載
  • 大容量内蔵メモリ
  • LCDコントローラおよびEthernet、USB、CAN

RA6シリーズの入手方法

RA6シリーズは、下記のルネサスの特約店・取扱店や、オンラインショップなどで購入できます。

RA6M3の評価ボード

RA6M3の評価ボードは、以下の通りです。

搭載CPU 特長 対象
EK-RA6M3 AP-RA6M-0A RA6M3 MCU グループの機能をシームレスに評価できると共に、RAファミリが持つルネサス独自のFlexible Software Package (FSP) と様々なIDEを使用して、組込みシステム向けアプリケーションの開発が可能 すぐに開発をスタートしたい方

RA6M3の対応OS

RA6M3に対応している主なOSは、以下の通りです。

  • μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。

μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。

小さいフットプリント
マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
μC3/Configurator付属
選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮やコーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートできます。
豊富なCPUサポート
業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実。使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
省電力対応
デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。

詳しい資料をご希望の方は、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてください。

資料ダウンロード(無料)

μC3のライセンスの種類・詳細

ライセンスの種類

ライセンスの種類は3つあります。

  • 開発量産用プロジェクトライセンス
  • プラットフォームライセンス
  • 研究開発用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。

有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。

プラットフォームライセンス

プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。

研究開発用プロジェクトライセンス

研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。

ライセンス費用は、開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。

有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。

ポイント
  • 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
  • プラットフォームライセンス   :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス
  • 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス

※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録いただく必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。

お客様のご要望にあわせて適切な範囲で設定させていただきますので、まずは、担当営業にご相談下さい。

ライセンスの詳細

    • ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
    • 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
    • 提供形態 :ソースコード
    • 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
    • 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
    • μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています

ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。

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保守について

製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。

無償保守サービス終了後は有償での保守サービスとなります。そのまま継続でのご利用の場合、製品価格(研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の20%、非継続の後に再加入をされたい場合は研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の40%となります。

プロジェクトライセンスと1年間の保守サービスを同時にご購入いただいた場合は、初回に限り15%とさせていただきます。

保守サービスには以下が含まれています。

  • 製品の無償バージョンアップ対応
  • コンパイラのバージョンアップ対応
  • メールによる技術サポートサービス(1営業日以内に1次回答)