RX72Mとは?仕様・機能・評価ボード・開発環境・対応OSを紹介

RX72Mとは、ルネサスエレクトロニクス(以下、「ルネサス」)のマイコンです。RX72MはRXv3コアを搭載し、EtherCATスレーブコントローラを内蔵し、EtherCATを始めとする主要な産業用ネットワークに対応しています。

RX72Mの仕様

ビット数 32
プログラムメモリ (KB)[最大] 4096
RAM (KB) 1024
データフラッシュ (KB) 32
プログラムメモリタイプ Flash memory
ピン数[最大] 224
CPUコア RXv3 core
最大動作周波数 (MHz) 240
最大動作電圧 (V) 3.6
最小動作電圧 (V) 2.7
キャッシュメモリ Yes
Sub-clock (32.768 kHz) Yes
オンチップオシレータ Yes
On-chip Oscillator Freq. (MHz) 16/18/20MHz
PLL Yes
リアルタイムクロック Yes
パワーオンリセット Yes
低電圧検出機能 Yes
メモリ管理ユニット No
浮動小数点演算ユニット Yes
DMA Yes
DMA補足説明 DMAC x 8ch, .EXDMAC, DTC
外部バス拡張 Yes
外部割込み端子 16
I/Oポート[最大]

 

Yes
8-bit Timer (ch) 4
16-bit Timer (ch) 18
32-bit Timer (ch) 7
ウォッチドッグタイマ (チャネル) 2
その他のタイマ
PWM出力 36
3相PWM出力機能 Yes
12ビットA/Dコンバータ (チャネル) 29
12ビットD/Aコンバータ (チャネル) 2
CAN (チャネル) 3
イーサネット Yes
イーサネット補足説明 10/100Mbps
USBホスト機能 Yes
USBペリフェラル機能 Yes
USB (チャネル) 1
USB Hi-speed対応 No
USBエンドポイント 10
USB Isochronous転送対応 Yes
DMA補足説明 DMAC x 8ch, .EXDMAC, DTC
Clocked Serial Interface (チャネル) 13
SPI (チャネル) 16
UART (チャネル) 13
I2C (チャネル) 16
シリアル補足説明 FIFO(5ch), QSPI
その他表示機能 Yes
その他表示機能補足説明 WQVGA
最高動作温度 (°C) 105
最低動作温度 (°C) -40
動作温度補足説明 Ambient Temperature
品質レベル Industorial

出典:RX72M

RX72Mとは

RXファミリの製品ラインアップ

RXファミリは、高い演算性能と優れた低消費電力性能を実現するルネサス社製の32ビットマイクロコントローラです。RXファミリは、ルネサス製マイコンの主力製品シリーズであり、その特徴として、ルネサスオリジナルのRXコアを搭載しています。

RXファミリのマイコンは、主に下記の4つに分類されています。

  • 超低消費電力・エントリシリーズ  :RX100
  • 低消費電力と高性能のベストミックス:RX200
  • 高性能・豊富なラインアップ    :RX600
  • 最高速・高機能RXフラッグシップ  :RX700

RX72Mは、RXファミリの中でも最も高性能なRX700シリーズに属します。

RX72Mとは

RX72Mグループマイコンは、RXの第3世代のCPUコア「RXv3コア」を搭載した240MHz動作するハイパフォーマンスな製品です。

倍精度浮動小数点処理命令により処理能力が大きく向上します。EtherCAT®スレーブコントローラを搭載し、従来専用コントローラを 必要としたシステム構成を1チップで実現し、部品点数の削減や省スペース化に貢献します。

出典:RX72M

RX72Mは、RXv3コアを搭載し、最大240MHzで動作するマイコンです。

RX72Mの特長

RX72Mの特長は、以下の通りです。

  1. EtherCATスレーブコントローラ内蔵
  2. マルチプロトコル対応
  3. 高度な暗号技術

【特長1】EtherCATスレーブコントローラ内蔵

RX72Mは、EtherCATスレーブコントローラを内蔵しています。

EtherCAT(読み方:イーサキャット)とは

EtherCATとは、産業用ネットワーク規格の一つ。マスタの仕様が完全にオープンになっている。また、Ethernetという産業用ネットワーク規格と互換性がある。

高機能なタイマを内蔵しており、EtherCAT通信によるモータ制御などのアプリケーション処理をワンチップで実現できます。

【特長2】マルチプロトコル対応

RX72Mは、以下の主要な産業用ネットワークに対応しています。

  • EtherCAT
  • PROFINET RT
  • EtherNet/IP

ルネサスから、ユーザー向けに認定済みのサンプルプログラムが提供されているため、開発期間の短縮が可能です。

【特長3】高度な暗号技術

RX72Mは、高度な暗号技術を搭載しています。

暗号化とは

暗号化とは、データを第三者が解読できないように一定のルールのもとに変換すること。暗号化によって、権限の無い照会や使用からデータを保護する。

暗号化については、以下の記事をご覧ください。

暗号化・復号とは?仕組み・種類・定義をわかりやすく解説

RX72Mは、鍵管理、フラッシュメモリ保護機能のほか、以下の暗号エンジンを搭載しています。

  • AES
  • TDES
  • RSA
  • ECC
  • SHA
  • TRNG

各暗号エンジンについては、以下の以下の記事をご覧ください。

暗号化アルゴリズムとは?種類・定義・意味をわかりやすく解説

これにより、機器のデッドコピーや純正機器を装ったオプションユニットの接続を防止します。

RX72Mの入手方法

RX72Mは、下記のルネサスの特約店・取扱店や、オンラインショップなどで購入できます。

RX72Mの開発環境

RX72Mに対応した代表的な開発環境は、下記の通りです。

  • e2studio
  • CS+
  • IAR Embedded Workbench for RX

RX72Mの評価ボード

RX72Mの評価ボードは、下記の通りです。

特徴 対象 データシート
Renesas Starter Kit+ for RX72M LCDディスプレイモジュール、オンチップデバッギングエミュレータ、統合開発環境を添付 すぐにRX72Mの評価を始めたい方 Renesas Starter Kit+ for RX72Mのデータシート
AP-RX72M-0A 各種産業イーサネット通信機能のほか、CANやUARTなどの通信インタフェースやモータ制御機能を搭載 産業用イーサネットのスレーブ機器の開発がしたい方 AP-RX72M-0Aのデータシート

Renesas Starter Kit+ for RX72M

Renesas Starter Kit+ for RX72Mは、RX72Mの入門用に最適なスターターキットです。CPUボードだけでなく、LCDディスプレイモジュール、オンチップデバッギングエミュレータ、統合開発環境が添付されています。

これらの特長からRenesas Starter Kit+ for RX72Mは、「すぐにRX72Mの評価を始めたい」という方に最適な評価ボードです。

Renesas Starter Kit+ for RX72Mの価格・購入場所

AP-RX72M-0A

AP-RX72M-0Aは、アルファプロジェクト社製の評価ボードです。

AP-RX72M-0Aは、各種産業イーサネット通信機能のほか、CANやUARTなどの通信インタフェースやモータ制御機能を搭載しています。

これらの特長からAP-RX72M-0Aは、産業用イーサネットのスレーブ機器の開発に最適な評価ボードです。

AP-RX72M-0Aの価格・購入場所

RX72Mの対応OS

RX72Mに対応している主なOSは、以下の通りです。

  • RI600V4
  • RI600PX
  • FreeRTOS
  • μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard(弊社製品)

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

高性能リアルタイム処理向けRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Stndardは、μITRON4.0のスタンダードプロファイルをベースに、32/64ビットプロセッサが搭載された組込みシステム向けのRTOSです。

μC3/Standardは、高性能プロセッサがより高度なリアルタイム制御に耐えられるよう、割込み禁止時間を極力なくし、割込み応答性を最重要課題として設計したRTOSです。

ARM Cortex-Aシリーズ、ARM Cortex-Rシリーズだけでなく、高性能な ARM Cortex-MやRenesas RXシリーズにも対応しています。

32/64bitの高性能プロセッサに最適化
割り込み応答性を高め、32/64bitの高性能プロセッサ向けに最適化されたμITRON4.0仕様のカーネル。
豊富なプロセッサ・サポート
業界随一のプロセッササポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
マルチコア対応
組込み機器向けに最適なAMP型カーネル。マルチコアによって、リアルタイム性能を強化します。
豊富なデバイスドライバを用意
I2C, SPI, GPIO, SDなどのデバイスドライバをオプションで用意。(UART, Timer, INTCはμC3に、EthernetドライバはμNet3に付属しています。)

μC3のライセンスの種類・詳細

ライセンスの種類

ライセンスの種類は3つあります。

  • 研究開発用プロジェクトライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス
  • プラットフォームライセンス

研究開発用プロジェクトライセンス

研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。

研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。

有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。

開発量産用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。

有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。

プラットフォームライセンス

プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。

※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。

お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。

ポイント
  • 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
  • プラットフォームライセンス   :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス

ライセンスの詳細

  • ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
  • 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
  • 提供形態 :ソースコード
  • 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
  • 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
  • μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています

ライセンスの価格などの詳細については、下記より製品ガイドをダウンロードしてご覧ください。

資料ダウンロード(無料)

保守について

製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。

また、年間保守費用は製品定価の40%になります。

無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)

*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。

保守サービスには以下が含まれています。

  • メールによる技術サポート(1営業日以内に1次回答)
  • 製品の無償バージョンアップ

RX72Mと弊社製品μC3/Standardの導入事例

  • 歯科医療用ハンドピース、工業用スピンドルメーカー製 電動式ブラシレスモータ&スピンドル