STM32L5とは？仕様・機能・評価ボード・開発環境・対応OSを紹介

STM32L5シリーズは、STマイクロエレクトロニクス（以下ST社）の汎用マイクロコントローラです。STM32L5シリーズは、Arm Cortex-M33を搭載し、IoT向けに高いセキュリティと低消費電力に特化しています。

STM32L5の製品ライン

製品ライン	概要
STM32L5x2	STM32L5シリーズの基本ライン

出典：STM32L5シリーズ

STM32L5の仕様

出典：STM32L5シリーズ

STM32L5とは

STM32ファミリの製品ラインアップ

STM32ファミリのマイコンは、主に下記の5つに分類されています。

STM32L5シリーズは、消費電力を抑えた「超低消費電力マイコン」に属します。

STM32L5とは

STM32L5シリーズは、Arm® TrustZone®を実装し、セキュリティが強化されたArm® Cortex®-M33ベースの超低消費電力マイコンです。各I/O、ペリフェラル、FlashメモリやSRAMの領域を、TrustZoneによる保護環境の内部または外部に柔軟に設定できるため、機密性の高い処理を完全に分離し、セキュリティを最大限に高めることができます。電圧スケーリング、豊富な低消費電力モードなど、STM32Lシリーズで培われた高度な低消費電力技術が活用されており、コイン電池やエナジー・ハーベスト（環境発電）で長時間駆動する消費電力重視のシステムに最適なマイコンです。

出典：STM32L5シリーズ

STM32L5シリーズは、Arm Cortex-M33を搭載し、IoT向けに高いセキュリティと低消費電力に特化したマイコンです。

STM32L5のセキュリティ機能

STM32L5は、Armのセキュリティ技術である「TrustZone」を搭載しています。

STM32L5は、任意のI/O、周辺回路、フラッシュメモリ、SRAMをTrustZoneの保護対象にできます。保護対象からの除外もできるため、柔軟な設定が可能です。このため、STM32L5は、機密性の高い処理だけを完全に分離することにより、セキュリティを最大限に高められます。

また、改ざん検出やファームウェアのセキュアインストールもサポートしています。

STM32L5は、これらの豊富なセキュリティ機能により、PSA Certifiedレベル2を取得しています。

STM32L5の消費電力

STM32L5は、複数の消費電力モードを搭載しています。各モードと、消費電力は、以下の通りです。

• シャットダウン･モードで17nA
• ストップ･モードで3µA（SRAMとペリフェラルの状態は完全に維持され、ウェイクアップ時間は5µs）
• アクティブ･モードで62µA/MHz

出典：STM32L5シリーズ

このためSTM32L5は、コイン電池やエナジー・ハーベスト（環境発電）などの電源でも長時間駆動します。

STM32L5シリーズの入手方法

STM32L5シリーズのマイコンは、ST社の販売代理店や下記のオンラインショップなどで購入できます。

STM32L5の開発環境

STM32L5に対応した代表的な開発環境は、以下の通りです。

STM32L5評価ボード

STM32L5評価ボードは、下記の3種類あります。

これらは、ST社から提供される純正の評価ボードであり、USBケーブルやPCを用意するだけで、簡単・安価に開発をスタートできます。

EVALボード・Discoveryボード・Nucleoボードの特徴

EVAL・Discovery・Nucleoには、それぞれ次の特徴があります。

以上のように、デバイスのフル機能を評価したい場合はEVAL、STM32L5の単体評価をしたい場合はDiscovery、Arduino互換ボードを使ったプロトタイプ開発をしたい場合はNucleoを選択します。

STM32L5に対応したEVALボード

STM32L5が評価できるEVALボードは、以下の1種類です。

ボード	搭載マイコン	データシート
STM32L552E-EV	STM32L552ZE	STM32L552E-EVのデータシート

STM32L5に対応したDiscoveryボード

STM32L5が評価できるDiscoveryボードは、以下の1種類です。

ボード	搭載マイコン	データシート
STM32L562E-DK	STM32L562QE	STM32L562E-DKのデータシート

STM32L5 Nucleoボード

STM32L4が評価できるNucleoボードは、以下の1種類です。

ボード	搭載マイコン	データシート
NUCLEO-L552ZE-Q	STM32L552ZE	NUCLEO-L552ZE-Qのデータシート

STM32L5の対応OS

STM32L5に対応しているOSは以下の通りです。

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3（マイクロ・シー・キューブ）/Compact」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。

μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。

詳しい資料をご希望の方は、下記より製品ガイドをダウンロードしてください。

資料ダウンロード(無料)

μC3のライセンスの種類・詳細

ライセンスの種類

ライセンスの種類は3つあります。

研究開発用プロジェクトライセンス

研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。

研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60％の価格です。

有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40％オフの価格でアップグレードが可能です。

開発量産用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ（派生機種）が含まれます。

有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。

プラットフォームライセンス

プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。

※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。

お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。

ライセンスの詳細

ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。

資料ダウンロード(無料)

保守について

製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。

また、年間保守費用は製品定価の40％になります。

無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)

*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。

保守サービスには以下が含まれています。