LPC1700シリーズとは?仕様・機能・評価ボード・開発環境・対応OSを紹介

LPC1700シリーズは、NXPセミコンダクターズ(以下NXP社)の低電力マイクロコントローラです。LPC1700シリーズの特徴は、ARM Cortex-M3ベースを搭載し、低電力で費用効果の高いこと、ペリフェラル(周辺機器)が豊富であることです。

LPC1700の仕様

出典:LPC1700 series

LPC1700とは

LPCシリーズとは

LPCシリーズは、NXP社が提供しているマイコンのシリーズです。それぞれの特長は以下です。

シリーズ CPU メモリ 特長 アプリケーション例
LPC800 Arm® Cortex® -M0+
Up to 30 MHz
16-64 kB Flash
1-16 kB RAM
エントリーレベル センサーゲートウェイ
LPC1100 Arm® Cortex®-M0/M0+
50 MHz
4-256 kB Flash
1-36 kB RAM
接続性 ゲーミング周辺機器
LPC51U68 Arm® Cortex®-M0+
100MHz
256 KB flash
Up to 96 KB total SRAM
高パフォーマンス、電力効率 高機能ゲーミングキーボード
LPC54000 Arm® Cortex®-M4
100 MHz、180 MHz、220 MHz
デュアルコアオプションあり
128-512 kB Flash
Up to 200 kB RAM
主流シリーズ スマートホーム、ビルオートメーション
LPC1200 Arm® Cortex®-M0
50 MHz
32-128 kB Flash
4-8 kB RAM
ノイズ耐性 白物家電
LPC1300 Arm® Cortex®-M3
72 MHz
8-64 kB Flash
4-12 kB RAM
エントリーレベルのアップグレード 一般消費周辺機器
LPC1500 Arm® Cortex®-M3
72 MHz
64-256 kB Flash
12-36 kB RAM
モーションコントロール モーター制御
LPC1700 Arm® Cortex®-M3
Up to 120 MHz
32-512 kB Flash
8-96 kB RAM
拡張性、主力シリーズ スマートエナジー
LPC1800 Arm® Cortex®-M3
180 MHz
Up to 1024 kB Flash
104-200 kB RAM
Flashなしオプションあり
高パフォーマンス、統合性 セキュアゲートウェイ
LPC4000 Arm® Cortex®-M4
120 MHz
64-512 kB Flash
24-96 kB RAM
拡張性、主力シリーズ 医療機器
LPC4300 Cortex-M4
204 MHz
マルチコアオプションあり
Up to 1024 kB Flash 104-282 kB RAM
Flashなしオプションあり
高パフォーマンス、統合性 高性能オーディオ

出典:NXP「NXP® LPC Microcontrollers Q」

LPC1700の特徴

LPC1700シリーズMCUは、中程度のパフォーマンスと電力効率を実現します。これらは、イーサネット、USB(ホストまたはデバイス)、CAN、またはLCDディスプレイなどのペリフェラルから同時に実行される複数の広帯域データストリームをサポートします。

出典:LPC1700 Series

原文は、以下の通りです。

LPC1700 series MCUs provide solid mid-range performance and power efficiency. They support multiple high-bandwidth data streams running simultaneously from peripherals such as Ethernet, USB (host or device), CAN, or LCD displays.

LPC1700の類似品

LPC1700の類似品として、LPC54000があります。LPC54000は、LPC1700と同様、電力効率に優れたマイコンです。

LPC1700のペリフェラル(周辺機器)

LPC1700は、下記の幅広いペリフェラルを備えています。

LPC1700のシリアルペリフェラル
  • 10/100イーサネットMAC
  • オンチップPHYを備えたオンチップPHYを備えたUSB 2.0フルスピードデバイス/ホスト/ OTGコントローラー
  • フラクショナルボーレート生成を備えた4つのUART、RS-485。モデム制御I / O、およびIrDA
  • 2つのCAN 2.0Bコントローラ
  • 3つのSSP / SPIコントローラー
  • 1つの高速モードプラス(1 Mbit / sデータレート)をサポートする3つのI2Cバスインターフェイス
  • デジタルオーディオ用のI2Sインターフェース

原文は、以下の通りです。

 

  • 10/100 Ethernet MAC
  • USB 2.0 full-speed device / host / OTG controller with on-chip PHY with on-chip PHY
  • Four UARTs with fractional baud rate generation, RS-485. modem control I/O, and IrDA
  • Two CAN 2.0B controllers
  • Three SSP/SPI controllers
  • Three I2C-bus interfaces with one supporting fast mode plus (1 Mbit/s data rates)
  • I2S interface for digital audio

出典:LPC1700 Series Cortex-M3 Microcontrollers

LPC1700のその他のペリフェラル
  • 三相モーターをサポートするモーター制御PWMおよび直交エンコーダーインターフェイス
  • 4つの32ビット汎用タイマー/カウンター
  • 1 MHzの精度に調整された4 MHz内部RC発振器
  • 1 µA未満で動作するリアルタイムクロック
  • 8チャネル汎用DMAコントローラー
  • 最大70の汎用I / O

原文は、以下の通りです。

  • Motor control PWM and quadrature encoder Interface to support three-phase motors
  • Four 32-bit general purpose timers / counters
  • 4 MHz internal RC oscillator trimmed to 1% accuracy
  • Real-time clock operating at < 1 µA
  • Eight channel general purpose DMA controller
  • Up to 70 general purpose I/O

出典:LPC1700 Series Cortex-M3 Microcontrollers

LPC1700の製品ラインアップ

LPC1700のラインアップは、以下の通りです。

  • LPC1769
  • LPC1768
  • LPC1767
  • LPC1766
  • LPC1765
  • LPC1764
  • LPC1759
  • LPC1758
  • LPC1756
  • LPC1754
  • LPC1752
  • LPC1751

LPC1700シリーズの入手方法

LPC1700シリーズのマイコンは、NXP社や、NXP社の正規販売店で購入できます。

LPC1700の開発環境

LPC1700に対応した代表的な開発環境は、以下の通りです。

  • LPCXpresso
  • IAR Embedded Workbench for ARM
  • Arm Keil MDK
  • CodeRed Eclipse-based Red Suite
  • Hitex HiTOP IDE

LPC1700評価ボード

LPC1700の評価ボードは、以下の通りです。

  • Keil MCB1768
  • mbed LPC1768 board
搭載マイコン 対象 データシート
Keil MCB1700 LPC1758、LPC1768 マイコン初心者 Keil MCB1700のデータシート
mbed LPC1768 board LPC1768 すぐに評価・開発をスタートしたい mbed LPC1768 boardのデータシート

Keil MCB1700

Keil MCB1700は、arm KEILが提供する評価ボード・スターターキットです。Keil MCB1700を使用すると、作業プログラムを作成およびテストできます。

Keil MCB1700は、LPC1758、LPC1768を搭載しています。Keil MCB1700は、MDK-ARM評価ツールが含まれています。プログラムの作成や、機能の評価に使用できます。このためKeil MCB1700は、初心者でも簡単に評価が可能です。

mbed LPC1768 board

mbed LPC1768 boardは、arm MBEDが提供する評価ボード・スターターキットです。mbed LPC1768 boardを使用すると、mbedのウェブサイト上でコンパイラを利用できます。このため、インターネットが利用できる場所ならどこでも開発が可能です。

mbed LPC1768 boardは、LPC1768を搭載しています。USBまたはRS232経由で書き込みが可能です。USBより給電できるため、本体をUSBポートに刺すだけで、すぐに評価が可能です。このためmbed LPC1768 boardは、すぐに評価したい方におすすめです。

LPC1700の対応OS

LPC1700に対応しているOSは、以下の通りです。

  • ThreadX
  • FreeRTOS
  • embOS
  • μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact(弊社製品)

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。

μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。

小さいフットプリント
マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
μC3/Configurator付属
選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮や、コーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートすることができます。
豊富なCPUサポート
業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
省電力対応
デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。

詳しい資料をご希望の方は、下記より製品ガイドをダウンロードしてください。

資料ダウンロード(無料)

μC3のライセンスの種類・詳細

ライセンスの種類

ライセンスの種類は3つあります。

  • 研究開発用プロジェクトライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス
  • プラットフォームライセンス

研究開発用プロジェクトライセンス

研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。

研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。

有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。

開発量産用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。

有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。

プラットフォームライセンス

プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。

※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。

お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。

ポイント
  • 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
  • プラットフォームライセンス   :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス

ライセンスの詳細

  • ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
  • 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
  • 提供形態 :ソースコード
  • 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
  • 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
  • μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています

ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。

資料ダウンロード(無料)

保守について

製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。

また、年間保守費用は製品定価の40%になります。

無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)

*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。

保守サービスには以下が含まれています。

  • メールによる技術サポート(1営業日以内に1次回答)
  • 製品の無償バージョンアップ

LPC1700とμC3/Compactの導入事例

  • 映像機器・音響機器・無線機器・音楽映像ソフトメーカー製 プロジェクター

など