TXZ3A+シリーズとは?仕様・機能・評価ボード・開発環境・対応OSを紹介
TXZ3A+シリーズは、東芝デバイス&ストレージ(以下東芝)のマイクロコントローラーです。TXZ3A+シリーズは、Arm® Cortex®-M3を搭載し最大120MHz動作で動作します。家庭用・産業機器のメイン制御やモーター制御に適しています。

TXZ3A+シリーズの仕様

M3Hグループ
搭載CPU Arm® Cortex®-M3
最大動作周波数 120MHz
最大フラッシュメモリサイズ 1024KB
最大SRAMサイズ 128KB
最大ピン数 144

出典:TXZ3A+シリーズ

TXZ3A+シリーズについて

ここからは、 TXZ3A+シリーズ についてさらに詳しく紹介します。

TXZ+ファミリーとは

TXZ+ファミリーは、Arm® Cortex®-Mを搭載した32ビット、東芝のマイクロコントローラーファミリーです。

モーター制御、低消費電⼒、システムコスト削減に貢献する、従来の製品より高性能なアドバンスクラスと低消費電力、システムの小型化に最適なエントリークラスで構成されています。

アドバンスクラスでは40nmのプロセス、エントリークラスでは130nmのプロセスを採用しています。

nmプロセスとは

nmプロセスは「プロセスルール」「プロセスノード」「プロセスサイズ」などと呼ばれている。半導体チップをどれだけ細かく作っているかを表す。プロセスの値が小さいほど、消費電力が少なく高性能になる。

TXZ+ファミリーのラインアップ

TXZ+ファミリーのラインアップは以下になります。

  • TXZ4A+シリーズ:40nmアドバンスクラス、Arm® Cortex®-M4搭載、高性能
  • TXZ3A+シリーズ:40nmアドバンスクラス、Arm® Cortex®-M3搭載、中・高性能
  • TXZ4E+シリーズ:130nmエントリークラス、Arm® Cortex®-M4搭載、スタンダード
  • TXZ3E+シリーズ:130nmエントリークラス、Arm® Cortex®-M3搭載、スタンダード
  • TXZ0E+シリーズ:130nmエントリークラス、Arm® Cortex®-M0搭載、ベーシック

出典:TXZ+ファミリー

TXZ3A+シリーズのラインアップ

TXZ3A+シリーズのラインアップは以下になります。

  • M3H(1)グループ:Arm® Cortex®-M3搭載、動作周波数最大40MHz
  • M3H(2)グループ:Arm® Cortex®-M3搭載、動作周波数最大120MHz

出典: M3Hグループ

M3H(1)グループ

M3H(1)グループは、動作周波数が最大40MHzの標準的なパッケージです。コードフラッシュメモリー容量は256KB~512KB、RAM容量は66KBを有します。

M3H(1)グループは、玩具、ヘルスケア機器、事務機器など家電機器、産業用機器の幅広い用途に適しています。

M3H(2)グループ

M3H(2)グループは、M3H(1)グループからメモリー容量を拡大した、動作周波数が最大120MHzの高性能なパッケージです。コードフラッシュメモリー容量は1MB、RAM容量は130KBを有します。

コードフラッシュメモリーの容量拡大にあたり、フラッシュメモリーの構成を512KB×2エリアの構成に変更されました。これにより、コードフラッシュメモリーのコードで継続的に動作しながら、他エリアの書き換えが可能になり、エリアスワップ方式のファームウェアローテーションに対応します。

また、ブラシレスDCモーターなどのインバーター制御に適した、東芝独自のモーター制御回路A-PMD(Advanced-Programmable Motor Driver)を搭載しているのが特長です。そのため、UARTやI2C、TSPI、タイマーなど汎用性の高い周辺回路を搭載しつつ、高機能化と低消費電力を実現しています。

M3H(2)グループは、玩具、ヘルスケア機器、事務機器など家電機器、産業用機器の幅広い用途のIoT化・高機能化に適しています。

UART(読み方:ユーアート)とは

UARTとは、調歩同期式シリアル通信のひとつ。開始と終了の合図を決めておき、その合図にしたがって2つのデバイス間でシリアルデータを交換する仕組み。「Universal Asynchronous Receiver Transmitter」の頭文字をとったもので、汎用非同期式送受信機を意味する。

I2C(読み方:アイ・スクエアド・シー、アイ・アイ・シー)とは

I2Cとは、NXPセミコンダクターズ(以下NXP社)が開発した通信インターフェースである。クロックに同期させデータ通信をする同期式シリアル通信のひとつ。パソコンのマザーボード、組込みシステム、携帯電話などのEEPROMやセンサとのデータ通信で使用される。「Inter Integrated Circuit」の略。

TSPI(読み方:東芝シリアルペリフェラルインターフェース)とは

TSPIとは、東芝独自のシリアルペリフェラルインターフェース。ロック同期のシリアル通信であり、SPIモードとSIOモードがある。SPIは、「Synchronous Serial Port」の略で、クロックを出力するモード1つに対して、クロックを入力するモードを複数接続できるシリアルインターフェース。SIOは、「Serial Input Output」の略でクロックを出力するモードとクロックを入力するモードは1対1 で接続する。

TXZ3A+シリーズとは

TXZ3A+シリーズは、Arm® Cortex®-M3を搭載し最大120MHz動作で動作します。家庭用・産業機器のメイン制御やモーター制御、幅広いアプリケーションに柔軟に対応します。

【特長1】豊富なラインアップ

TXZ3A+シリーズは、メモリーとパッケージラインアップが豊富です。

フラッシュメモリは256~1024KBが選択可能です。SRAM(パリティー付)は64~128KBが選択でき、バックアップ2KB分のSRAM、32KBデータフラッシュを追加するか選択できます。

また、コードフラッシュサイズが1MBの製品は、512KB x 2エリアの構成になり、命令実行と並行して実行中と別のエリアを書き換え可能。

さらに、パッケージは64~144ピンをラインアップしています。

【特長2】モータ制御に適した構造

TXZ3A+シリーズは、モーター制御機能として、ADコンバータと同期動作可能なアドバンストプログラマブルモーター制御回路、アドバンストエンコーダー入力回路を搭載しています。2つの回路の組み合わせでACモーター、ブラシレスDCモーターの制御に適した構造に設計されています。

ADコンバータ(読み方:エーディーコンバータ)とは

ADコンバータとは、アナログ信号をデジタル信号に変換する電子回路である。デジタル信号をアナログ信号に変換する電子回路は、DAコンバータと呼ぶ。

【特長3】家庭用機器の多様化に対応

TXZ3A+シリーズは、多様化する家庭用機器に対応するために、UART、TSPI、I2Cインターフェース、および2ユニットのDMAC、LCD表示装置を搭載しています。

また、さまざまなセンシングに対応するためにADコンバータは、アナログ入力端子ごとに2種類のサンプルホールド時間を選択可能な最大21チャネルの高速・高精度12bitを搭載しています。

センシングとは

センシングとは、検知器や感知器、測定器などのセンサを利用して測定対象を計測し、定量的な情報を取得する技術のこと。

DMAC(読み方:ディーエムエーシー)とは

DMACとは、「Direct Memory Access Controller」の略で、DMA転送の制御専用のICチップである。DMAとは、CPUを経由せず外部装置と直接データのやり取りを行う方式のこと。

【特長4】安全対策

TXZ3A+シリーズは、機能安全対策回路として、フラッシュメモリー、RAM、ADコンバータ、クロックのチェック機構を搭載しています。

また、家電機能安全(IEC60730)認証取得をサポートしています。

家電機能安全(IEC60730)とは

家電機能安全(IEC60730)とは、家庭電化製品向け安全規格のこと。家電向けの組込み制御ハードウェア、ソフトウェアを安全に動作させるためのテスト方法、診断方法を定めている。

TXZ3A+シリーズの主なアプリケーション例

TXZ3A+シリーズは、以下のアプリケーションに適しています。

  • 家電製品
  • 玩具
  • ヘルスケア機器
  • 家庭用/産業用機器のモーター制御
  • IoT化した家庭用/産業用機器

TXZ3A+シリーズの入手方法

TXZ3A+シリーズは、以下の東芝の特約店やオンラインショップなどで購入できます。

TXZ3A+の開発環境

TXZ3A+シリーズに対応した代表的な開発環境は、以下の通りです。

  • RealView® MDK uVisiion®
  • Arm® Keil® ULINKpro™
  • Arm® Keil® ULINK2™
  • Case Player2

TXZ3A+シリーズの評価ボード

2023年10月現在、 TXZ3A+シリーズの評価ボードは以下の通りです。

搭載MCU 特長 対象 データシート
AdBun-M3HQA (TMPM3HQFDAFG) 評価ボード TMPM3HQFDFG 東芝のマイコンTMPM3HQFDAFGを搭載

高速データ処理、豊富なタイマ/通信チャネル、デバッガーを搭載

M3H(1)グループの試作をすぐに始めたい人 AdBun-M3HQA (TMPM3HQFDAFG)のデータシート
AdBun-M3HQB (TMPM3HQF10BFG)評価ボード TMPM3HQF10BFG 東芝のマイコンTMPM3HQF10BFGを搭載

高速データ処理、豊富なタイマ/通信チャネル、デバッガーを搭載

M3H(2)グループの試作をすぐに始めたい人 AdBun-M3HQB (TMPM3HQF10BFG)のデータシート

AdBun-M3HQA (TMPM3HQFDAFG) 評価ボード

AdBun-M3HQA (TMPM3HQFDAFG) 評価ボードは、センシスト社製の評価ボードです。

東芝のマイコンTMPM3HQFDAFGを搭載しており、TMPM3HQA MCUの導入実機検証や評価を行えます。

また、デバッガーが搭載されているのが特長で、M3H(1)グループの試作をすぐに始めたい人に適しています。

AdBun-M3HQB (TMPM3HQF10BFG)評価ボード

AdBun-M3HQB (TMPM3HQF10BFG)評価ボードは、センシスト社製の評価ボードです。

東芝のマイコンTMPM3HQF10BFGを搭載しており、TMPM3HQF10BFG MCUの導入実機検証や評価を行えます。

また、デバッガーが搭載されているのが特長で、M3H(2)グループの試作をすぐに始めたい人に適しています。

TXZ3A+シリーズの対応OS

TXZ3A+シリーズに対応している主なOSは、以下の通りです。

  • μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact (弊社製品)

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。

μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。

小さいフットプリント
マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
μC3/Configurator付属
選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮やコーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートできます。
豊富なCPUサポート
業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実。使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
省電力対応
デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。

詳しい資料をご希望の方は、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてください。

資料ダウンロード(無料)

μC3のライセンスの種類・詳細

ライセンスの種類

ライセンスの種類は3つあります。

  • 開発量産用プロジェクトライセンス
  • プラットフォームライセンス
  • 研究開発用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。

有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。

プラットフォームライセンス

プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。

研究開発用プロジェクトライセンス

研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。

ライセンス費用は、開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。

有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。

ポイント
  • 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
  • プラットフォームライセンス   :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス
  • 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス

※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録いただく必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。

お客様のご要望にあわせて適切な範囲で設定させていただきますので、まずは、担当営業にご相談下さい。

ライセンスの詳細

    • ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
    • 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
    • 提供形態 :ソースコード
    • 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
    • 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
    • μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています

    ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。

    資料ダウンロード(無料)

    保守について

    製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。

    無償保守サービス終了後は有償での保守サービスとなります。そのまま継続でのご利用の場合、製品価格(研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の20%、非継続の後に再加入をされたい場合は研究開発用プロジェクトライセンスはプロジェクトライセンス価格)の40%となります。

    プロジェクトライセンスと1年間の保守サービスを同時にご購入いただいた場合は、初回に限り15%とさせていただきます。

    保守サービスには以下が含まれています。

    • 製品の無償バージョンアップ対応
    • コンパイラのバージョンアップ対応
    • メールによる技術サポートサービス(1営業日以内に1次回答)