RX600とは?仕様・機能・評価ボード・開発環境・対応OSを紹介

RX600とは、ルネサスエレクトロニクス(以下、「ルネサス」)のマイクロコントローラであるRXファミリのひとつです。RXファミリは、ルネサスオリジナルのRXコアを搭載しています。この記事では、RXファミリの中でも、高速・高性能なRX600シリーズを紹介します。

RX600の製品グループ・仕様

グループ Flash (KB) RAM (KB) ピン数 動作電圧 (V) 周波数 (MHz)
RX66N 2048-4096 1024 100-224 2.7-3.6 120
RX65N, RX651 512-2048 256-640 64-177 2.7-3.6 120
RX64M 2048-4096 512 100-177 2.7-3.6 120
RX63N, RX631 0-2048 64-256 48-177 2.7-3.6 100
RX62N, RX621 256-512 64-96 85-176 2.7-3.6 100
RX630 384-2048 64-128 80-177 2.7-3.6 100
RX634 1024-2048 128 144 2.7-5.5 54
RX610 768-2048 128 144-176 3-3.6 100
RX63T 32-512 8-48 48-144 2.7-5.5 100
RX66T 256-1024 64-128 64-144 2.7-5.5 160
RX62T 64-256 8-16 64-112 2.7-5.5 100
RX62G 128-256 8-16 100-112 4-5.5 100

出典:RX ファミリ

RX600とは

RXファミリの製品ラインアップ

RXファミリは、高い演算性能と優れた低消費電力性能を実現するルネサス社製の32ビットマイクロコントローラです。ルネサス製マイコンの中でも、主力の製品シリーズです。ルネサスオリジナルのRXコアを搭載しています。

RXシリーズのマイコンは、主に以下の4つに分類されています。

  • 超低消費電力・エントリシリーズ   :RX100
  • 低消費電力と高性能のベストミックス :RX200
  • 高性能・豊富なラインアップ     :RX600
  • 最高速・高機能RXフラッグシップ    :RX700

RX600とは

RX600シリーズは高性能・豊富なラインアップを用意したRXファミリのメインストリームです。最大160MHz動作、4MBフラッシュ、IEEE1588、Ethernet、USB、CAN、モータ制御

出典:RX ファミリ

RX600シリーズの機能

RX600シリーズの詳しい機能は下記のとおりです。

  • 最大100MHz@RXv1コア、最大120MHz@RXv2コア動作(Up to 4.55CoreMark/MHz)
  • フラッシュメモリは最大4MB搭載
  • 単精度FPU、32ビット乗算器、除算器、32ビット積和乗算器を搭載
  • Ethernetやモータ、LCD等、用途に合わせた豊富な製品群

出典:RX ファミリ

フラッシュメモリとは

フラッシュメモリは、記憶装置の1つであり、電源を切っても記憶内容が維持される、不揮発性の半導体メモリ・ROM。本来データの消去や書き込みができないROMの中でも、フラッシュメモリは例外的にデータの消去や書き込みができる。

フラッシュメモリについては、以下の記事をご覧ください。

フラッシュメモリ(フラッシュROM)とは?定義・意味・特徴をわかりやすく解説

RX600シリーズの入手方法

RX600シリーズのマイコンは、以下のルネサスの特約店・取扱店や、オンラインショップなどで購入できます。

RX600シリーズの開発環境

RX600に対応した代表的な開発環境は、下記の通りです。

  • IAR Embedded Workbench for RX
  • CS+
  • e2studio

RX600評価ボード

RX600の代表的な評価ボードは、以下の通りです。RX600を素早く簡単に評価できます。

特徴 対象 データシート
Renesas Starter Kit+ 付属品が豊富。比較的高価格 すぐにRX600の評価を始めたい方
AP-RX62N-0A 豊富な通信インタフェースを搭載 様々な試作がしたい AP-RX62N-0Aのデータシート
AP-RX62T-0A モータ制御に適した多機能タイマ、全20chのA/D変換器、CANインタフェース 様々な試作がしたい AP-RX62T-0Aのデータシート
AP-RX63N-0A 豊富な通信インタフェースや、A/D変換器、D/A変換器を搭載 様々な試作がしたい AP-RX63N-0Aのデータシート
AP-RX64M-0A 豊富な通信インタフェースや、A/D変換器、D/A変換器、SDカードを搭載 様々な試作がしたい AP-RX64M-0Aのデータシート

Renesas Starter Kit+

Renesas Starter Kit+は、RX600の入門用に最適なスターターキットです。

CPUボードだけでなく、LCDディスプレイモジュール、オンチップデバッギングエミュレータ、統合開発環境が添付されています。

これらの特長から、Renesas Starter Kit+は、「すぐにRX600の評価を始めたい」という方におすすめの評価ボードです。

AP-RX62N-0A

AP-RX62N-0Aは、アルファプロジェクト社製の評価ボードです。

AP-RX62N-0AにはRX62Nが搭載されているため、RX62Nの特長である豊富な通信インタフェース(Ethernet、USB2.0 Host/Function、CAN)の評価ができます。また、外部拡張に必要な信号を外部接続コネクタへ引き出しています。

これらの特長から、AP-RX62N-0Aは、「様々な試作がしたい」という方におすすめの評価ボードです。

AP-RX62T-0A

AP-RX62T-0Aは、アルファプロジェクト社製の評価ボードです。

AP-RX62T-0AにはRX62Tが搭載されているため、RX62Tの特長であるモータ制御に適した多機能タイマ、全20chのA/D変換器、CANインタフェースの評価ができます。また、外部拡張に必要な信号を外部接続コネクタへ引き出しています。

これらの特長から、AP-RX62T-0Aは、「様々な試作がしたい」という方におすすめの評価ボードです。

AP-RX63N-0A

AP-RX63N-0Aは、アルファプロジェクト社製の評価ボードです。

AP-RX63N-0AにはRX63Nが搭載されているため、RX63Nの特長である豊富な通信インタフェース(Ethernet、USB2.0 Host/Function、CAN)や、A/D変換器、D/A変換器の評価ができます。また、外部拡張に必要な信号は外部接続コネクタへ引き出しています。

これらの特長から、AP-RX63N-0Aは、「様々な試作がしたい」という方におすすめの評価ボードです。

AP-RX64M-0A

AP-RX64M-0Aは、アルファプロジェクト社製の評価ボードです。

AP-RX64M-0AにはRX64Mが搭載されているため、RX64Mの特長である豊富な通信インタフェース(Ethernet、USB2.0 Host/Function、CAN)や、A/D変換器、D/A変換器、SDカードの評価ができます。また、外部拡張に必要な信号は外部接続コネクタへ引き出しています。

これらの特長から、AP-RX64M-0Aは、「様々な試作がしたい」という方におすすめの評価ボードです。

RX600シリーズの対応OS

RX600に対応している主なOSは、下記の通りです。

  • RI600V4
  • RI600PX
  • FreeRTOS
  • embOS
  • μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact(弊社製品)

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。

μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。

小さいフットプリント
マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
μC3/Configurator付属
選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮や、コーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートすることができます。
豊富なCPUサポート
業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
省電力対応
デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。

詳しい資料をご希望の方は、下記より製品ガイドをダウンロードしてください。

資料ダウンロード(無料)

μC3のライセンスの種類・詳細

ライセンスの種類

ライセンスの種類は3つあります。

  • 研究開発用プロジェクトライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス
  • プラットフォームライセンス

研究開発用プロジェクトライセンス

研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。

研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。

有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。

開発量産用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。

有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。

プラットフォームライセンス

プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。

※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。

お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。

ポイント
  • 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
  • プラットフォームライセンス   :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス

ライセンスの詳細

  • ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
  • 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
  • 提供形態 :ソースコード
  • 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
  • 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
  • μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています

ライセンスの価格などの詳細については、下記よりプロダクトガイドをダウンロードしてご覧ください。

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保守について

製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。

また、年間保守費用は製品定価の40%になります。

無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)

*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。

保守サービスには以下が含まれています。

  • メールによる技術サポート(1営業日以内に1次回答)
  • 製品の無償バージョンアップ

RX600とμC3/Compactの導入事例

株式会社宮川製作所製 RFIDリーダライター

μC3/Compact導入前の課題

従来使用していた有償OSは、サポート対応が遅く、開発期間が延びてしまった

μC3/Compact導入後の効果

技術サポートやサポート掲示板の利用により、トラブルが発生してもすぐに解決できたため、開発ロスを短縮できた

詳細は、以下のページをご覧ください。
μC3/Compact,μNet3導入により、OS起因の開発ロスタイムを1か月からゼロへ短縮

その他のRX600とμC3/Compactの導入事例

  • 総合精密機器メーカー製 分析天びん
  • 自動車部品・産業用部品メーカー製 電力測定器
  • デジタル機器メーカー製 大型カッティングマシン

など