
i.MX RT600は、NXPセミコンダクターズ(以下NXP社)のマイクロコントローラです。2つのCortex®-M33を搭載し、最大300MHzで動作します。
i.MX RT600の仕様
MIMXRT685 | |
---|---|
Core Type | 2 x Arm® Cortex®-M33 |
Operating Frequency [Max] (MHz) | 300 |
SRAM (kB) | 4608 |
External Memory Supported[Max] | NOR FLASH |
i.MX RT600とは
i.MXシリーズとは
i.MXシリーズとは、NXP社が提供しているプロセッサファミリです。i.MXシリーズの特徴は、Arm®コアを搭載し、低消費電力であることです。
i.MXシリーズのラインアップ
i.MXシリーズのラインアップは、以下の通りです。
- i.MX RTシリーズ :産業用IoTアプリケーション向け
- i.MX 6シリーズ :自動車、産業用アプリケーション向け
- i.MX 7シリーズ :ポータブルIoTアプリケーション向け
- i.MX 8シリーズ :グラフィックス、オーディオ、安全性が重要なアプリケーション向け
- i.MX 9シリーズ :機械学習アプリケーション向け
- i.MX28シリーズ :自動車、産業用アプリケーションの電源管理および接続機能向け
出典:i.MX Applications Processors
i.MX RT600は、産業用IoTアプリケーション向けの「i.MX RTシリーズ」に属します。
i.MX RTシリーズとは
i.MX RTシリーズとは、NXP社が提供しているマイクロコントローラファミリです。i.MX RTシリーズは、シングルコア、デュアルコアの製品を展開しています。
シングルコアとは
シングルコアとは、コアを1つだけ内蔵したプロセッサのこと。シングルコアは、通常マルチコアと対比する文脈において使われる言葉。
デュアルコア・クアッドコアとは
コアを複数搭載したマルチコアのうち、コアを2つ搭載したものをデュアルコア、コアを4つ搭載したものをクアッドコアと言う。
i.MX RTシリーズは、Cortex®-M4, Cortex®-M7, Cortex®-M33を搭載し、費用対効果の高い価格でリアルタイム機能とMCUの使いやすさを実現します。
i.MX RTシリーズのラインアップ
i.MX RTシリーズのラインアップは、以下の通りです。
- i.MX RT1180 :TSNによるリアルタイム性
- i.MX RT1170 :複数のメディア機能
- i.MX RT1160 :温度範囲対応が広い
- i.MX RT1064 :高度なマルチメディア
- i.MX RT1060 :高速性
- i.MX RT1050 :リアルタイム機能
- i.MX RT1040 :柔軟性
- i.MX RT1024 :DC-DC コンバーターによる省電力機能
- i.MX RT1020 :低コストでの高パフォーマンス
- i.MX RT1015 :低コストPCBを実現
- i.MX RT1010 :新しいエントリーポイントの提供
- i.MX RT600 :安全性が高い音声操作エンドノード
- i.MX RT500 :チップ上の高い安全性
この記事では、安全性が高い音声操作エンドノードが特徴の「i.MX RT600」を紹介します。
i.MX RT600とは
i.MX RT600は、エッジコンピューティングプラットフォームの一部です。高性能のCadence® Tensilica® HiFi 4 オーディオ DSPコアと次世代のArm® Cortex®-M33コアを組み合わせ、32ビットの没入型オーディオ再生や音声ユーザーインターフェイスアプリケーション向けに最適化されています。
【特長1】高度なセキュリティ
Arm® Cortex®-M33に2つのハードウェア コプロセッサを加え、DSPアルゴリズムや暗号化エンジンを強化しています。セキュアブート、証明書ベースのデバッグ認証メカニズム、RSA署名付き・AES-CTR暗号化状態でのファームウェア更新など、多くのセキュリティ機能を有します。
【特長2】オンチップメモリ
最大4.5MBのSRAM、28kBのローカル密接合メモリ、最大256kBのROMなどがオンチップメモリとして設計されています。
【特長3】周辺機器対応
それぞれ32チャネルを有する2つのDMAエンジン、動的記述をおこなうOctal/Quad SPI Flash、オンチップPHYを備えたUSB高速ホスト/デバイスコントローラなど、周辺機器が豊富です。
出典:i.MX RT600、i.MX RT600データシート
i.MX RT600の使い方(アプリケーション)
i.MX RT600は、以下のアプリケーションに適しています。
- ワイヤレス充電パッド
- インプット機器(マウス、ペン、キーボード)
- スマートウォッチ
- 住宅のセキュリティおよび監視システム
i.MX RT600の入手方法
i.MX RT600は、NXP社の正規販売店や下記のオンラインショップなどで購入できます。
i.MX RT600 評価ボード
i.MX RT600の評価ボードは、以下の通りです。
サポートCPU | 特長 | 対象 | データシート | |
---|---|---|---|---|
i.MX RT600 Evaluation Kit | i.MX RT600 | NXP社純正の評価ボード | NXP社純正の評価ボードを使用したい方
すぐに開発をスタートしたい方 |
Quick Start Guide MIMXRT685-EVK |
i.MX RT600 Evaluation Kit
i.MX RT600 Evaluation Kitは、NXP社純正の評価ボードです。
「NXP社純正の評価ボードを使用したい」「すぐに開発をスタートしたい」という方に最適な評価ボードです。
i.MX RT600 Evaluation Kitの価格・購入場所
i.MX RT600の対応OS
i.MX RT600に対応している主なOSは、以下の通りです。
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard(弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
高性能リアルタイム処理向けRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standardは、μITRON4.0のスタンダードプロファイルをベースに、32/64ビットプロセッサが搭載された組み込みシステム向けのRTOSです。
μC3/Standardは、高性能プロセッサがより高度なリアルタイム制御に耐えられるよう、割込み禁止時間を極力なくし、割込み応答性を最重要課題として設計したRTOSです。