パラレル通信とは通信方式の1つです。パラレル通信は、データ伝送を行う際に使用されます。パラレル通信は、複数の信号線や回線を使い、データを同時並列的に送信する方式のことです。パラレル通信では、1クロックにつき、複数ビット送信されます。
これに対し、1本の信号線や回線を使いデータを1ビットずつ順番に送信する方式をシリアル通信と言います。
パラレル通信・パラレルインターフェースの種類・使用例
4つのパラレル通信・パラレルインターフェースの種類
主なパラレルインターフェースには、次の4種類があります。
- IEEE1284(読み方:アイトリプルイー・イチニーハチヨン)
- IDE(読み方:アイディーイー)
- SCSI(読み方:スカジー)
- PCI(読み方:ピーシーアイ)
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
IEEE1284(読み方:アイトリプルイー・イチニーハチヨン)とは
IEEE1284(読み方:アイトリプルイー・イチニーハチヨン)は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers・米国電気電子技術者協会)が標準化したインターフェース規格です。IEEE1284は、主にプリンター用のインターフェースとして使われています。
IDE(読み方:アイディーイー)とは
IDE(読み方:アイディーイー)は、「統合ドライブ電子製品」を意味する「Integrated Drive Electronics」の略です。PCとハードディスクの間のインターフェースとして1990年代に主流となっていました。IDEの特徴は、ドライブ側にコントローラを統合し、それまでのインターフェースよりも簡素化、低コスト化した点です。
SCSI(読み方:スカジー)とは
SCSI(読み方:スカジー)は、「小型計算機システムインタフェース」を意味する「Small Computer System Interface」の略です。ANSI(American National Standards Institute・米国国家規格協会)によって規格化されています。SCSIは、主に周辺機器とPCを繋ぐ目的で使われています。
PCI(ピーシーアイ)とは
PCI(読み方:ピーシーアイ)とは、「周辺機器接続」を意味する「Peripheral Component Interconnect」の略です。PCIは、主にCPUと周辺機器を繋ぐ目的で使われています。32ビットもしくは64ビットの規格です。
ポイント
- IEEE1284=プリンター用のインターフェース
- IDE =ドライブ側にコントローラを統合した簡素なインターフェース
- SCSI=主に周辺機器とPCを繋ぐためのインターフェース
- PCI=主にCPUと周辺機器を繋ぐためのインターフェース
パラレル通信のメリット、デメリット
パラレル通信のメリット、デメリットは、以下の通りです。
パラレル通信のメリット・デメリット
メリット :1クロックあたりの通信速度・通信量がシリアル通信に比べると早い・多い。
デメリット:信号線が多いため、高コストで配線が難しい。同期が難しい。
パラレル通信のメリット、デメリットについては、パラレル通信と対立する概念である「シリアル通信」と比較しながら、以下の記事で纏めています。
シリアル通信とは
シリアル通信とは、通信方式の1つ。1本の信号線や回線を使い、データを1ビットずつ順番に送信する方式。
シリアル通信については、以下のページをご覧ください。
シリアル通信とパラレル通信の違い
シリアル通信とパラレル通信の違いは、データを送信する信号線や回線の数です。信号線・回線が1本のものがシリアル通信、複数のものがパラレル通信になります。
現在の組込み業界では、パラレル通信よりもシリアル通信のほうが広く普及しています。
シリアル通信とパラレル通信の違いについては、下記の記事をご覧ください。