RX65Nとは?仕様・機能・できること・使い方・開発環境を紹介

RX65Nとは、ルネサスエレクトロニクス(以下、「ルネサス」)のマイクロコントローラであるRXファミリのひとつです。RXファミリは、ルネサスオリジナルのRXコアを搭載しています。この記事では、RXファミリの中でも、セキュリティ、コネクティビティ、およびHMIが強化された、RX65Nを紹介します。RX65Nは、IoT機器やHMI強化に最適です。

RX65Nの仕様

分類 モジュール/機能  説明
CPU 中央演算処理装置
  • 最大動作周波数:120MHz
  • 32ビットRX CPU (RXv2)
  • 最小命令実行時間:1命令1クロック
  • アドレス空間:4Gバイト・リニアアドレス
  • レジスタ
    • 汎用レジスタ:32ビット × 16本
    • 制御レジスタ:32ビット × 10本
    • アキュムレータ:72ビット× 2本
  • 基本命令:75種類
  • 浮動小数点演算命令:11種類
  • DSP機能命令:23種類
  • アドレッシングモード:11種類
  • データ配置
    • 命令:リトルエンディアン
    • データ:リトルエンディアン/ビッグエンディアンを選択可能
  • 32ビット乗算器:32ビット× 32ビット→ 64ビット
  • 除算器:32ビット÷ 32ビット→ 32ビット
  • バレルシフタ:32ビット
FPU
  • 単精度浮動小数点数(32ビット)
  • IEEE754に準拠したデータタイプ、および例外
メモリ コードフラッシュメモリ
  • 容量:512K/768K/1M/1.5M/2Mバイト
  • 50MHz以下の場合はノーウェイトアクセス
    • 100MHz以下の場合は1ウェイトアクセス
    • 100MHzより速い場合は2ウェイトアクセス
  • ROMキャッシュにヒットしている命令/オペランドは120MHzノーウェイトアクセス可能
  • オンボードプログラミング:4種類
  • オフボードプログラミング(パラレルライタモード)
  • Trusted Memory (TM)機能による、TM対象領域に格納したプログラムは命令実行のみ可能、データリード防止機能を実現
  • デュアルバンク方式によるリード時プログラミングおよび起動領域の入れ替えが可能
データフラッシュメモリ
  • 容量:32Kバイト
  • プログラム/イレーズ回数:100,000回
ユニークID
  • 16バイト長のデバイス固有のID
RAM
  • 容量:256Kバイト(コードフラッシュメモリ容量が1Mバイト以下の製品)
    • RAM:256Kバイト
  • 容量:640Kバイト(コードフラッシュメモリ容量が1.5Mバイト以上の製品)
    • RAM:256Kバイト
  • 拡張RAM:384Kバイト
  • 120MHz、ノーウェイトアクセス
スタンバイRAM
  • 容量:8Kバイト
  • PCLKB同期:60MHz max, 2サイクルアクセス

出典:RX65Nグループ、RX651グループ データシート

RX65Nとは

RXファミリの製品ラインアップ

RXファミリは、高い演算性能と優れた低消費電力性能を実現するルネサス社製の32ビットマイクロコントローラです。RXファミリは、ルネサス製マイコンの主力製品シリーズであり、その特徴として、ルネサスオリジナルのRXコアを搭載しています。

RXシリーズのマイコンは、主に下記の4つに分類されています。

  • 超低消費電力・エントリシリーズ   :RX100
  • 低消費電力と高性能のベストミックス :RX200
  • 高性能・豊富なラインアップ     :RX600
  • 最高速・高機能RXフラッグシップ    :RX700

RX65Nは、RXシリーズの中でも、スタンダードなRX600シリーズのひとつです。

RX65Nとは

RX65N、RX651グループは、セキュリティ、コネクティビティ、およびHMIが強化された、IoT機器やHMI強化に最適なマイコンです。
RX65N、RX651グループは、豊富なパッケージラインナップと大容量フラッシュメモリおよびRAMを搭載し、さまざまなアプリケーションを制御することができます。

出典:RX65N, RX651

RX65Nの機能

RX65Nの詳しい機能は下記のとおりです。

  • RXv2コア 120 MHz動作 (34 CoreMark/mA)
  • 2.7~3.6 V動作
  • 豊富なパッケージラインアップ : 64ピン (4.5mm x 4.5mm, BGA)~176ピン
  • Ethernet、USB、CAN、SDホスト/スレーブインタフェース、およびクワッドSPIなどの多様な通信インタフェースを内蔵
  • 最大2 MBのコードフラッシュ、最大640 KBのSRAM
  • ファームウェアアップデートに便利なDualBank機能* 1
  • HMI
    •  TFT-LCDコントローラと2Dグラフィックエンジン搭載でユーザインタフェース処理を高速化
  • セキュリティ
    • 誤書込みを防止する内蔵フラッシュメモリのプロテクト機能
    • Trusted Secure-IPによりハイレベルなRoot-of-trustを実現* 1
    • AES、TRNG、TDES * 1、RSA * 1、SHA * 1の各種暗号化エンジンを搭載

*1 : 1.5 MB以上のコードフラッシュを搭載した製品のみ

出典:RX65N, RX651

ファームウェアとは

ファームウェアとは、機器の内部に固定的に組み込まれるソフトウェア。ハードウェアのROMなどに組み込まれ、そのハードウェアを制御する。

ファームウェアについては、以下の記事をご覧ください。

ファームウェアとは?意味・定義・特徴をわかりやすく解説

暗号化とは

暗号化とは、データを第三者が解読できないように一定のルールのもとに変換すること。暗号化によって、権限の無い照会や使用からデータを保護する。

暗号化については、以下の記事をご覧ください。

暗号化・復号とは?仕組み・種類・定義をわかりやすく解説

RX65Nシリーズの入手方法

RX65Nシリーズのマイコンは、以下のルネサスの特約店・取扱店や、オンラインショップなどで購入できます。

RX65Nの開発環境

RX65Nに対応した代表的な開発環境は、下記の通りです。

  • IAR Embedded Workbench for RX
  • CS+
  • e2studio

RX65N評価ボード

RX65Nの代表的な評価ボードは、以下の通りです。RX65Nを素早く簡単に評価できます。

特徴 対象 データシート
RX65N Envision Kit 低コストでHMIプロジェクトに適した評価ができる まずはLCDを中心に評価したい方 RX65N Envision Kitのデータシート
Renesas Starter Kit+ for RX65N 付属品が豊富。比較的高価格 すぐにRX65Nの評価を始めたい方 Renesas Starter Kit+ for RX65Nのデータシート
Target Board for RX65N 低価格で自由な試作が可能 低価格・簡単に評価したい方 Target Board for RX65Nのデータシート
Renesas RX65N Cloud Kit アマゾンウェブサービスに接続可能なクラウド通信評価キット RX65Nを使ったIoT開発をスタートさせたい方 Renesas RX65N Cloud Kitのデータシート
AP_RX65N_0A カメラモジュールを接続可能 低コストで画像入力環境を評価したい AP-RX65N-0Aのデータシート

低コストでLCD中心に評価できるRX65N Envision Kit

RX65N Envision Kitの最大の特徴は、低コストでHMIプロジェクトに適した評価ができることです。

LCDコントローラや回路図、ソースコードなど、開発に必要なアイテムが揃っているため、サンプルキットとして使用できます。

これらの特長から、RX65N Envision Kitは、「まずはLCDを中心に評価したい」という方におすすめの評価ボードです。

RX65N Envision Kitの価格・購入場所

すぐに評価できるRenesas Starter Kit+ for RX65N

Renesas Starter Kit+ for RX65Nは、RX65Nの入門用に最適なスターターキットです。

CPUボードだけでなく、LCDディスプレイモジュール、オンチップデバッギングエミュレータ、統合開発環境が添付されています。

これらの特長から、Renesas Starter Kit+ for RX65Nは、「すぐにRX65Nの評価を始めたい」という方におすすめの評価ボードです。

Renesas Starter Kit+ for RX65Nの価格・購入場所

低価格評価ボードのTarget Board for RX65N

Target Board for RX65Nは、低価格でRX65Nを試せる評価ボードです。

マイコンの全ピンが、MCUヘッダに出ているため、自由に試作できます。

これらの特長から、Target Board for RX65Nは、「低価格・簡単に評価したい」という方におすすめの評価ボードです。

Target Board for RX65Nの価格・購入場所

クラウド通信評価キットのRenesas RX65N Cloud Kit

Renesas RX65N Cloud Kitは、アマゾンウェブサービスに接続可能なクラウド通信評価キットです。

RX65Nを使用したIoT機器開発の評価が可能です。

これらの特長から、Renesas RX65N Cloud Kitは、「RX65Nを使ったIoT開発をスタートさせたい」という方におすすめの評価ボードです。 

Renesas RX65N Cloud Kitの価格・購入場所

画像入力環境評価ボードのAP_RX65N_0A

AP_RX65N_0Aは、アルファプロジェクト社製の評価ボードです。

RX65Nの特長である豊富な通信インタフェース(Ethernet、USB2.0 Host/Function、CAN)機能、SDカード、A/D変換器、D/A変換器を搭載しています。

またAP_RX65N_0Aは、アルファプロジェクト社製のカメラモジュールを接続可能です。

これらの特長から、AP_RX65N_0Aは、「低コストで画像入力環境を評価したい」という方におすすめの評価ボードです。

AP-RX65N-0Aの価格・購入場所

RX65Nの対応OS

RX65Nに対応している主なOSは、下記の通りです。

  • RI600V4
  • RI600PX
  • FreeRTOS
  • Amazon FreeRTOS
  • embOS
  • μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact(弊社製品)

弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介

マイコン向け超軽量カーネルを採用したRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compact」

μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Compactは、マイコン内蔵の小さなメモリだけで動作するように最適化された、コンパクトなμITRON4.0仕様のRTOSです。

μC3/Compactは、ソースコードに直接コンフィグレーションを行うのではなく、付属のコンフィグレータによりGUIベースでRTOS、TCP/IP、デバイスのコンフィグレーションからベースコードの自動生成まで行います。

小さいフットプリント
マイコンの小さなROM/RAMのみで動作するように最適化された最小2.4Kbyteのコンパクトなカーネル。メモリ容量が小さい安価なデバイスを使用する事ができます。
μC3/Configurator付属
選択・設定するだけでベースコードが生成できるコンフィギュレーションツール。開発時間の大幅な短縮や、コーディングミスの減少が可能。RTOSの初心者でも簡単に開発をスタートすることができます。
豊富なCPUサポート
業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
省電力対応
デフォルトで省電力機能がついているため、システム全体の省電力に貢献します。

詳しい資料をご希望の方は、下記より製品ガイドをダウンロードしてください。

資料ダウンロード(無料)

μC3のライセンスの種類・詳細

ライセンスの種類

ライセンスの種類は3つあります。

  • 研究開発用プロジェクトライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス
  • プラットフォームライセンス

研究開発用プロジェクトライセンス

研究開発用プロジェクトライセンスは、研究開発のみ可能なライセンスです。ライセンス購入時の段階で、製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めです。

研究開発用プロジェクトライセンスのライセンス費用は、このあとご紹介する開発量産用プロジェクトライセンスの60%の価格です。

有償の保守契約に加入中の場合、開発量産用プロジェクトライセンスのライセンス費用の40%オフの価格でアップグレードが可能です。

開発量産用プロジェクトライセンス

開発量産用プロジェクトライセンスは、研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンスとなります。開発量産用プロジェクトライセンスの対象製品の範囲には、1種類の製品型番だけでなく、その製品ファミリ(派生機種)が含まれます。

有償の保守契約に加入中の場合、プラットフォームライセンスのライセンス費用との差額でアップグレードが可能です。

プラットフォームライセンス

プラットフォームライセンスは、プロジェクトライセンスの対象範囲を広げたライセンスです。プラットフォームライセンスの対象製品は、1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリが範囲となります。サイトライセンスではございません。

※弊社のライセンスはプロジェクトライセンスの形式を採っております。ご購入時に該当プロジェクトの名称をご登録頂く必要があり、その際、「計測機器」などの抽象的な名称ではなく、具体的な名称を頂戴しております。

お客様のご要望をお聞きした上で適切な範囲を設定させて頂きますので、先ずは、担当営業にご相談下さい。

ポイント
  • 研究開発用プロジェクトライセンス:製品化まで見えていない場合や、フィジビリティスタディの場合にお勧めなライセンス
  • 開発量産用プロジェクトライセンス:研究開発から量産販売までが可能な標準的なライセンス
  • プラットフォームライセンス   :1種類の製品ファミリだけでなく、複数の製品ファミリを範囲とするライセンス

ライセンスの詳細

  • ライセンス費用の金額・計算方法:ライセンス購入時の固定の一括払いのみでご使用いただけます
  • 開発人数制限 :無(ただし同プロジェクト内)
  • 提供形態 :ソースコード
  • 使用範囲 :定義されたプロジェクト内
  • 使用CPU :型番固定ではなくCPUシリーズ(例:STM32F4シリーズ)
  • μC3/ConfiguratorはCPUシリーズ毎に用意されています

ライセンスの価格などの詳細については、下記より製品ガイドをダウンロードしてご覧ください。

資料ダウンロード(無料)

保守について

製品定価には契約日の翌月1日から6ヶ月分の無償保守が含まれています。その後、有償で保守を継続することが可能です。

また、年間保守費用は製品定価の40%になります。

無償保守期間終了後、継続して有償保守サービスにご加入いただいた場合は、製品定価の20%になります。(ただし、初年度分の保守とライセンスをセットで購入された場合は、初年度分に限り製品定価の15%になります。)

*研究開発用プロジェクトライセンスの保守費用は開発量産用プロジェクトライセンスの定価の20%になります。

保守サービスには以下が含まれています。

  • メールによる技術サポート(1営業日以内に1次回答)
  • 製品の無償バージョンアップ
  • 電機メーカー製 プロジェクター
  • 教育機関向け 教材
  • 電機メーカー製 FA向けセンサー
  • 通信・インフラメーカー製 ゲートウェイ機器
  • プリンターメーカー製 プリンタ周辺機器
  • 産業機器メーカー製 検査装置
  • 総合メーカー製 駐車場システム
  • 照明器具メーカー製 HEMSアダプタ

など