
AM57xシリーズは、テキサス・インスツルメンツ社(以下TI社)のプロセッサです。AM570x、AM571x、AM572x、AM574xはArm®Cortex®-A15を搭載し、最大1500MHzで動作します。
AM57xシリーズの仕様
AM5706 | AM5716 | AM5726 | AM5746 | |
---|---|---|---|---|
Arm® CPU | 1 x Arm® Cortex®-A15 | 1 x Arm® Cortex®-A15 | 2 x Arm® Cortex®-A15 | 2 x Arm® Cortex®-A15 |
Arm® MHz (Max.) | 1500 | 1500 | 1500 | 1500 |
Co-processor(s) | 2 x Arm® Cortex®-M4 | 2 x Arm® Cortex®-M4 | 2 x Arm® Cortex®-M4 | 2 x Arm® Cortex®-M4 |
CPU | 32-bit | 32-bit | 32-bit | 32-bit |
出典:テキサス・インスツルメンツ「AM5706」「AM5716」「AM5726」「AM5746」
TI Arm®ベース・プロセッサとは
Arm®ベース・プロセッサとは
Arm®ベースの各種アプリケーション・プロセッサで構成された TI の幅広い製品ラインアップを活用すると、車載、産業用、IoT デバイス向けに多様で効率的なエッジ・コンピューティング性能を実現できます。TI が採用している SoC (システム・オン・チップ) アーキテクチャは、消費電力、サイズ、重量、コストなどの重要なシステム・リソースを犠牲にせずに、高性能を実現します。ハードウェア、オープン・ソース・ソフトウェア、各種ツールで構成された TI の開発プラットフォームを活用すると、開発中の製品を短期間で市場に投入できます。
Arm®ベース・プロセッサのラインアップ
Arm®ベース・プロセッサの主なラインアップは、以下の通りです。
- AM62xシリーズ: Arm® Cortex®-A53を搭載した一般用途/分析用途向け
- AM57xシリーズ: Arm® Cortex®-A15を搭載した一般用途向け
- AM437xシリーズ: Arm® Cortex®-A9を搭載した一般用途向け
- AM335xシリーズ: Arm® Cortex®-A8を搭載した一般用途向け
- OMAPL138 DSPシリーズ: Arm®9を搭載した一般用途向け
- TDA4VMシリーズ: Arm® Cortex®-A72を搭載した分析用途向け
- DRA829シリーズ: Arm® Cortex®-A72を搭載したネットワーク向け
- DRA821シリーズ: Arm® Cortex®-A72を搭載したネットワーク向け
- AM65xシリーズ: Arm® Cortex®-A53を搭載したネットワーク向け
- AM64xシリーズ: Arm® Cortex®-A53を搭載したネットワーク向け
AM57xシリーズとは
AM57xシリーズとは
AM57xシリーズとは、TI社が提供しているマイクロプロセッサファミリで、シングルコアとデュアルコアの製品を展開しています。組み込み製品に求められる高度な処理を実現するために開発された製品で、統合されたプロセッサが柔軟性を活かし、高い処理パフォーマンスを発揮します。
シングルコアとは
シングルコアとは、コアを1つだけ内蔵したプロセッサのこと。シングルコアは、通常マルチコアと対比する文脈において使われる言葉。
デュアルコア・クアッドコアとは
コアを複数搭載したマルチコアのうち、コアを2つ搭載したものをデュアルコア、コアを4つ搭載したものをクアッドコアと言う。
【特長1】ソフトウェアの複雑性を低減
Arm Neon™拡張機能を持つシングルコアのArm® Cortex®-A15 RISC CPUと、TI C66x VLIW浮動小数点DSPコアによるプログラムが可能です。また、Arm®プロセッサにより、DSPおよびコプロセッサ上にプログラムされている他のアルゴリズムとは分けて機能を制御できるため、開発者はソフトウェアの複雑性を低減できます。
【特長2】ディスプレイ・サブシステム
複数のビデオ入力と出力に対応しており、2Dおよび3D グラフィックスに利用できます。
【特長3】暗号化アクセラレーション(AM570x、AM574x)
AM570xとAM574xのすべてのデバイスで、セキュアブートサポート、デバッグ・セキュリティ、信頼性の高い実行環境のサポートを含むセキュリティ機能を備えており、暗号化アクセラレーションが可能です。
出典:テキサス・インスツルメンツ「AM570x」「AM571x」「AM572x」「AM574x」のデータシート
AM57xシリーズの使い方(アプリケーション)
AM57xシリーズは、以下のアプリケーションに適しています。
- 産業用通信
- オートメーションおよび制御
- HMI(ヒューマンマシンインタフェース)
AM57xシリーズの入手方法
AM57xシリーズは、TI社の正規販売店や下記のオンラインショップなどで購入できます。
- Digi-Key Electronics
- Mouser Electronics
- 東京エレクトロンデバイス株式会社 (TED)
- Macnica (マクニカ)
- Spirit Electronics (航空宇宙と防衛分野顧客の小規模企業向け販売代理店)
- Rochester Electronics (TI半導体製品の生産中止品または余剰在庫の取り扱い)
- Micross (ウェハー / ダイ製品の取り扱い)
AM57xシリーズ 評価ボード
AM57xシリーズの評価ボードを紹介します。
搭載CPU | 特長 | 対象 | |
---|---|---|---|
BEAGLEBOARD-X15 | Sitara™ AM57x プロセッサ (AM5728、AM5726、AM5718、AM5716) | 低コスト、オープンソース、コミュニティ・サポートの開発プラットフォーム | 製品開発時にハードウェア・プラットフォームの実証をしたい方 |
AM57xシリーズの対応OS
AM57xシリーズに対応している主なOSは、以下の通りです。
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard(弊社製品)
- μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard+M(弊社製品)
弊社製品「μC3(マイクロ・シー・キューブ)」のご紹介
高性能リアルタイム処理向けRTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard」
μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standardは、μITRON4.0のスタンダードプロファイルをベースに、32/64ビットプロセッサが搭載された組み込みシステム向けのRTOSです。
μC3/Standardは、高性能プロセッサがより高度なリアルタイム制御に耐えられるよう、割込み禁止時間を極力なくし、割込み応答性を最重要課題として設計したRTOSです。
Arm® Cortex®-Aシリーズ、Arm® Cortex®-Rシリーズだけでなく、高性能な Arm® Cortex®-MやRenesas RXシリーズにも対応しています。
- 32/64bitの高性能プロセッサに最適化
- 割り込み応答性を高め、32/64bitの高性能プロセッサ向けに最適化されたμITRON4.0仕様のカーネル。
- 豊富なプロセッサ・サポート
- 業界随一のプロセッササポート実績があり、技術サポートも充実しています。CPUの選択肢を広げ、機会費用を抑える事ができます。業界随一のCPUサ
- ポート実績があり、技術サポートも充実しています。ご使用予定のデバイスで直ぐに開発着手が可能で、ご質問に対して24時間以内の1次回答を徹底しています。
- マルチコア対応
- 組み込み機器向けに最適なAMP型カーネル。マルチコアによって、リアルタイム性能を強化します。
- 豊富なデバイスドライバを用意
- I2C, SPI, GPIO, SDなどのデバイスドライバをオプションで用意。(UART, Timer, INTCはμC3に、EthernetドライバはμNet3に付属しています。)
マルチコアAMP拡張版RTOS「μC3(マイクロ・シー・キューブ)/Standard+M」
μC3/Standard+Mは、μC3/StandardにAMP型のマルチコア拡張を追加したマルチコアプロセッサ向けのRTOSです。
μITRON4.0のスタンダード・プロファイルをベースに、AMP型の特長を活かしたコア毎の処理・リソースの割り当て、コア間連携のためのAPIを追加しています。
Arm® Cortex®-Aシリーズを中心にマルチコアのMPUをサポートしています。
- リアルタイム処理に最適なAMP型カーネル
- 自由にタスクや資源を各CPUに割り当てることで、システムの負荷分散が容易に実現できます。
- μITRON APIによるCPU間通信機能
- タスク間通信などの機能をCPU間通信でも実現ができ、シングルコアと同様にプログラミングができます。
- 一括リンクによるコード効
- 率の向上
- コア別のプログラムを一括リンクすることで、より効率の良いプラグラミングができます。
- 多彩なミドルウェアや豊富なデバイスドライバを用意
- μC3/Standard対応のミドルウェアやデバイスドライバを利用できます。